「【うろ覚え】聖別・鶏肉の中華風野菜炒め【行きあたりばったり】」
5/23. 19:00頃。
そろそろ晩ごはん作るの、面倒くさくなってきた。
おばあちゃんが「あんたが作った方が美味しい」って言うので、休日はキッチンに立つことが増えた。
何も考えずに解凍していた鶏もも肉の袋をパーシャルから出す。
大きめの鍋を取り出して覗き込んだが、テフロンが剥げていたのでやめる。スープものにしようと思ったけど、ちょっと鍋が傷みすぎだ。
計画を変更して、炒めものにしよう。
――えー、神棚のお下がりのお酒をこんくらい、お醤油こんくらい。シャンタンのペーストも入れて、鶏肉に下味つけとこ。
袋の中に調味料を目分量で入れて、聖別してみるか、と（光あれ）とふりふり。
なんか光った気がするから、よし。
続きまして、白ネギを一本。ざくざく一口大に切った。
野菜室の中からしなしなのキャベツを50グラムほど見つけた。もう食べてしまわないとやばそう。黒ずんでいる断面を包丁で適当に切り落とし、怪しいキャベツはかさ増し程度にネギと一緒に薄手のバットに盛っておいた。お腹壊さないか、ちょっと怖い。
これもなんちゃってで聖別しておこう。バットをこんこんと揺らす。
下味をつけておいた鶏肉をそろそろ焼いていこうかな。
フライパンに何も考えずにココナッツオイルをぼとっとスプーン山盛り落とした。しまった、これ、ヴァージンオイルだから甘ったるい匂いになってしまうのでは、と思いつつ火をつける。
鶏肉を入れてみると、うわ、やっぱりすごい甘い匂いだった。これ、香りと味を矛盾させないためには砂糖入れた方がいい気がする。ああ、そろそろ野菜もいっとくか。旨味目的でオイスターソースもいれとこうかな。
あ、胡椒入ってなかった。振っとこう。
うーん、片栗粉でとろみが欲しいな。いい感じになってきたけど、鶏肉はまだ火が通ってないから、水足して少し煮込むか。よし、できた。
――なお、味見は最後までしていない。
出来上がった謎の料理（いや鶏と野菜の炒めものなんだけど）を口に含むと、うん、まぁまぁイケる味だ。
食卓にフライパンごと運び、取っ手を外してそのまま大皿でいただく。うちは取っ手の取れるティファールなので。
その時、肩口をひょいっと飛び越えて来る気配がした。
「なんだなんだ、美味そうだな！」
「ああ、お狐さん。……一口つまんでいいですよ」
ちょっと考えたけど、お供えしばらくしてないしな。
あぐっとお狐さんが鶏肉にかじりついている。たぶんあの鶏肉からはエネルギーが抜けるから、私の取り分だな…。
「！ う、」
肉をつまんだお狐さん、お腹を上に向けてひっくり返って昇天した。
「うーまーいーぞー！ 至高の味だ、褒めて遣わす！」
「あーたは私にもっと敬意を持ってくれ」
「どれ…」
そっと横からフライパンの中へ入るのは……シラヤマヒメさまのお箸だった。
「げ。神さま……いえ、どうぞ」
まさかあなたも食べるんですか。
しかも神さま、鶏肉からいってしまうんですね？ 思いっきり肉いきましたけど大丈夫ですか？？
「！ ……腕を上げましたね、huyutoriさん」
「そんなに私の料理食べたことありましたっけ、神さま？」
まだ数えるほどしか作ってないですよね？？
「ふむ」
そしてまた、傍らから伸びて来るSのお箸。
ねえみなさん、鶏肉の数は限られてるんですけど。おばあちゃんと私がお皿にとった後だけど、おかわりの鶏肉が実質あと1個しかないよ？
「！ ……美味いな。本当に腕上げたな、おまえ」
「うーん、Sだとやっぱり違和感ないね」
付き合い、10年以上と長いからね。
「お肉が柔らかく煮えてる」
おばあちゃんからもはなまる。
うん、たぶんそれは、聖別したせいじゃないかな。
やっぱり、お肉はふわふわになっているから、なんか能力ついてるんだろうねぇ…。
今の所、この能力？を活かす方法、これくらいしか思いつかないけど、体作りには役立ってそうだから、いいか。
む？ 会長の棒だらが美味しいと毎年人気な秘密、ひょっとしてこれもあるのかしらん？
======================
↓レシピ。
ココナッツオイル 大さじ1.5
シャンタン 小さじ1
醤油 大さじ1
酒大さじ2
砂糖 大さじ1
オイスターソース 大さじ1
胡椒 少々
片栗粉 大さじ1/2
水 1/4カップ
鶏もも肉 300g
白ねぎ 1/2本
キャベツ 2〜3枚
・鳥もも肉は醤油、シャンタン、酒、砂糖を絡め、聖別してしばらく置く
・キャベツ、白ねぎを一口大に刻み、バットなどに入れてバットごと聖別する。
・なべにココナッツオイルを熱し、調味料ごと鶏肉を入れて中火で炒める。
・鶏肉の色が変わり始めたら、野菜を入れる。
・全体がしんなりしはじめたら、全体に軽く胡椒を振り、水溶き片栗粉を加え、蓋をして2〜3分煮込む。
そんな感じ。