タケのバンクーバー通信

歴史から抹消してしまった国防と国益 83
恐慌の気配

移民がもたらす経済効果

 バンクーバーに暮らしていても、景気が落ちていることがよくわかります。バンクーバーで生まれ育った20~40代は、あまりにも物価が高くなりすぎて、郊外や地方に移り住んでいる人たちがほとんど、都心部には海外から移住してきた移民が住みバンクーバーの景色が、どんどん変わってしまいました。
 カナダは、移民国家なので移民を入れて経済のスタビライザーにして景気の変動として使ってきました。トルドー政権は、移民を大量に入れることで、景気拡充をするために使ってきました。それによって、肉体労働やファーストフードの店員は、移民の労働者が増えました。先住者の労働の雇用を奪い、民族間の摩擦が起き始めています。そして、いままで中間層だった人が、都心を離れて郊外に行く現象になってしまいまいた。トルドー政権は、2022年に3年間50万人の移民受け入れを発表しました。それによって、2022年から移民の数が増えているのが解ります。(この政策は、3年間で約150万人の人口を増やしました。住宅状況や生活インフラを考えずに、神戸市や川崎市と同じ人口が一瞬に増える政策をしました。当然、住宅が足りなくなることは当たり前で、長く税金を払ってきたカナダ人や先住移民は、生活が出来ない状況(住宅がないので引っ越しが出来ない。)になってしまいました。不動産の高騰は、地元民が買えないだけでなく、長く住んでいた人たちが固定資産税を払えない状況にもなりました。)

 これによって、2000年以降から不動の高騰がはじまりました。(バンクーバー・オリンピックが2010年にあったのと、バンクーバーは2000年から不動産の高騰がはじまりました。)それに輪をかけて、中国人の移民受け入れを拡張することで、不動産高騰と住宅不足が同時に起こり、賃貸料が1.5~2倍になる状況にもなりました。これによって、地元で育った若い人たちは、親から独立が出来ず30歳になっても親と同居する人が増えました。(基本的に、北米社会は18歳になると親が子供を家から追い出すのが慣習です。)それでも多くの子どもは、親元を離れて独立します。彼らは、地元には住めないので地方に行く選択をします。

 都心で不動産を買っている若い人たちは、数年前に移住してきた人が多く、親が子供に買い与えています。2000年以降移住してきた中国人は、ほとんどの高級住宅地に住んでいます。かつてのように、カナダ人が働いて住宅を買える状況ではなくなりました。地元の住民が、買えない事情はここにあります。ここに、格差社会が生まれて溝は埋まることはありません。

 しかし、この1年で状況が変わり始めました。不動産バブルが続いてきたバンクーバーですが、今年に入ってから不動産の売買が激減して、これまでの勢いがなくなりました。コンドミニアムの建設も資金が集まらず、中止するところが出てきています。さらに、建設途中で資金繰りが上手くいかず、建設が中断しているところが出てきました。いままでは、中国人を中心に不動産を買いあさっていた人たちが激減して、家の転売していた人たちが価格の下落で、売るに売れない状況になってきています。数年前までは、販売したら1ヶ月で売り手の条件で取引が出来ました。それは過去の話しで、急速に不動産市場が冷え込んできています。
 コロナ前までバンクーバーは、住みたい街ランキングで世界1~2位を争う街でした。それが、数年前からは住みにくい街のランキングに入ってしまいました。(物価高と生活が厳しい状況から)

年末から本格的な大不況がはじまる

 いままで北米経済は、不動産の高騰で好景気として経済が循環していました。不動産価格の上昇が、経済を支えて地域経済を好況にしてきました。それが、不動産価格の暴落はじまると話しは別の世界になります。加えて、中国系移民のほとんどが本土や香港の仕送りで、彼らの生活基盤を作ってきました。それが、途絶えるということは北米の預金だけでしか、キャッシュ・フローをするしかありません。彼らは、ここでほとんど仕事を持っていません。あったとしても、ペーパー・カンパニーか投資会社です。いまは、株価が高いのでそれなりの利回りになって、彼らの生活を支えています。しかし、株価が落ち始めたら彼らは経済基盤を失うことになります。そすると、いまの生活を維持することはできなくなります。(カナダは、高い固定資産税が高いので、不動産を維持できなくなる人が増えていく。)そうすると、大量の不動産の流出がはじまり不動産バブルがはじけて、大不況になっていきます。今年の暮れからはじまるのか、来年からはじまるかわかりませんが、異様は空気になっていることは間違いありません。
 西海岸のほとんどは、中国資本の不動産投資で地域経済が回っているので、ロサンゼルス・サンフランシスコ・ポートランド・シアトル・バンクーバーのどこかの街が崩れ始めたら、連鎖して不動産バブルがはじまっていくでしょう。さらに、北米全土に連鎖して大不況に向かっていきます。どれでなくても、仕事が減り景気はどんどん冷え込んでいます。


 
北米で起きていることが、ヨーロッパでも起きている
 
 いま、イギリスも同じ問題が起きていて2010年以降から中国の移住者が増え、歴史あるゴルフクラブがチャイニーズ資本に買収されたり、ロンドンの一等地をチャイナ・マネーによって買われ、ここでも北米と同じ状況になっています。いたるところでチャイナ・マネーが、各国の経済に浸透して地元経済とは違う経済循環を作って、地元のコミュニティーを破壊してしまいました。さらに、イギリスは中国移民だけでなく、近年イスラム教徒の移民を多く入れて、深刻な問題になりロンドンスタン(ロンドン+スタン<ペルシャ語で土地・地域。パキスタン・ウズベキスタンなど)と揶揄される街になってしまいました。行き過ぎた多様性社会が、複雑かつ解決が出来ない状況になっています。
 先日、11万人のデモがロンドンで起きたのは必然的であって、移民問題で亡国の危機になっているからです。いまだに不思議に思うのは、日本のメディアは極右とかいう言葉を使って、報道をしていることです。世界は、「右」とか「左」とかの思想の話しではなく、自国民の生存権が保証されるかの危機になっています。
いま、イギリスも難民や不法移民が増えすぎてしまって、コントロールできなくなって、深刻な問題になっています。難民で渡ってきた人を収容できる施設がないので、ロンドンの高級なホテルを借りて、そこをシェルター代わりに使って、イギリス庶民よりも待遇する状況になっています。いまイギリスは、経済が落ち込み失業者が増えて、すべて物がインフレになり庶民生活は、どんどん厳しくなっています。イギリス国民の税金を使って外国人の生活保障をすることが、正しい政治なのか? 11万人のデモは、イギリス国民の悲痛な叫びになり、大衆が動き始めました。(この状況は、アメリカの不法移民を受け入れていた状況によく似ています。ニューヨークの高級ホテルに難民を住まわして、お金まで支給していました。)

 イギリスは、財政が厳しいことに加えて、経済政策が上手くいっていません。そこで、国は最低賃金(2800円/時)を上げました。さらに、税収を増やすためにビジネス用の固定資産税を倍近く上げました。当然、家賃に反映され払えない人が急増して、店や会社を畳む人が急増しました。飲食業や花屋や自動車整備工や美容室などの路面店が、一瞬にして街の灯りが消えて、労働者から失業者になってしまいました。
 イギリスでもインフレ率が3.8%になっていて、スタフグレーションになり国民生活を圧迫させている状況になっています。国の政策が間違ってしまうと、庶民を窮困させて不景気にさせて、国の崩壊に繋がっていきます。負の連鎖が、イギリスでも起きています。バンクーバーで起きている現象が、地球の裏側でも同じ現象になっていて、庶民が普通の生活が出来なくなってきています。イギリスの11万人のデモは、極右という話しではなく深刻な問題になっています。

3局面から世界は壊れていく

 いま世界は、移民問題と経済問題が同時に多発して、どこか1つで歯車が嚙み合わないと、恐慌の危機にあります。そして、世界の経済は親密に繋がっているので、どこかが壊れると一瞬にして各国に飛び火する状況になっています。ドミノ倒しと同じで、1つ倒れるとすべて連鎖して壊れる状況に世界はなっています。2025暮れから世界経済が壊れるとすると、この3つのどれからか崩れていきます。

ヨーロッパが崩れるのか?
北米から瓦解するのか?
中国の崩壊が始まるのか?

 いま世界状況を達観的に見て、中国やアメリカはかつての大国の面影はなくなってきています。ヨーロッパにおいては、瀕死の状況になっています。庶民が普通に暮らせる状態にはなっていません。いつ内戦や暴動が起きてもおかしくありません。その意味では、殺戮や飢餓を気にしなくてもいい場所は、日本という国しかありません。各国から日本に移住をしたいのは、恵まれた環境が保証されているからです。動物が、安全な場所を求めて行動するのと同じ現象が、人間界でも起き世界各地で民族大移動がはじまっています。
 聖書に出てくる「ノアの箱舟」に、日本国そのものがなっています。その意味に気づき始めると、日本民族の生き方は大きく変わっていきます。いま、日本国内では言論空間で遊んでいる人が、あまりにも多いように見えます。多様化社会や移民受け入れを称賛している人は、北米かヨーロッパに移住して、現地で労働をして生活をするべきです。

外国の価値観を日本に輸入する必要はありません。
 
 日本は、言葉遊びをしている政治に振り回されず、日本は「もの作り」と「勤労精神」に徹すれば、世界の大きな闇には巻き込まれないですみます。これから世界は、カオスになり民族生存競争(民族間の殺戮)が各地域で起こり、混とんとした世界になっていきます。

Takefuyu|note