今日も暑い

今日も暑い
去年と比べてだんぜん暑い

うちの義母は、いつもクタッと横になっていて
アイスノンを日本手ぬぐいで包んで持って行っても
「これだけは、よして」
と拒否する。二回目だがやる。
扇風機は出したが、旦那がつけると義母がいつの間にか消す。
旦那が払う電気代を気にしているらしいが、私はそれが理解できない。

ケアマネージャーが心配して、
「水とか、栄養のある食べ物をちゃんと捕っていますか?」
聞くけど、そういう時は、聞こえなくなる。
「養老院へ行きたいんだよ」
また言っている。
「この前のショートステイが、養老院みたいなもんですよ。みんなと仲良くやれますか?」
ケアマネージャーが聞いている。
社交性はあるけど、何でも自分でやろうとして、時間がかかり過ぎて、ヘルパーさんには手を焼かすタイプだ。この前のショートステイで、「拒否される」と書かれている。

買い物のメモは、品数少なく
「これじゃ~、死んじゃうよ~」
旦那が叫ぶぐらいだ。
「そんなこと言ったって、食べられないもんは食べられないんだよ~」
「今年は、暑さでもうたくさん死んでるんだよ」
耳に向かって叫ぶが、届いていない。

こちらで判断して、余分に買ったおかず豚の角煮、唐揚げ、煮物を「食べられない」と返される。
「こんなのを返されるんです」
と、おかずのパックをケアマネージャーに見せる。

「このままじゃ、危ないからまたショートステイを少しした方がいいですね」
「旦那とまた相談します。たぶん、家にいるとあちらがよくなり、あちらにいると家がよくなり、だから行ったり来たりがいいみたいですね~」
空調は完備されているし、そこで出された物は、みんな食べるからだ。

ケアマネージャーが帰る時、柱に貼った紙を見て言った。
「『老いては、子に従え』って書いてあるのにね」
玄関に送りがてら、私が言った。
「怒るかと思ったら、礼を言われたんですよ」
「老いては、子が従えって思ってるんじゃないでしょう~ね~」
「あっ、そうかも知れないです。そ~か~。でも、もう風景になってしまって~」
二人で笑った。

義母に買い物リストを書いて貰って、旦那が買って来る。朝言うと時間がかかるし、メモをどこかにしまって出て来ないから、夜のうちに渡して貰うことになった。
「食べれるものを買ってこないで」
と義母が言う。
「え~?」と思った。
串に差した唐揚げでないとまずいらしかった。
「違うよ、この前は、串に差したのは売ってなかったんだよ」
旦那が何回も説明している。
今日は、スーパーに売っていたので買えた。

この前は、普通に「みかん買って来て」と言う。
「季節じゃないからないよ」
と言っていたらハウスものが、もう出回っていた。
「お米がまずいね~」と、最近よく言う。
「それは、口の中がまずくなったんでしょ?」と私が言い返す。
「私らは普通だよ」
立っているついでに、体重計を持って来て計ったら服を着て29キログラム。
「前より一キロ減ったね~」
私は、体重が23キロの寝たきりの98歳ぐらいのお婆さんに会ったことがある。
「100歳になったら、ビール飲んで乾杯しよう!」ってベッドの本人が言っていた。

年を取るって、体にサロンパスいっぱい貼って、体は動かなくなるし大変だ。
義母と暮しているというと、「大変ね~」ってみんな言うけど、
世話をする大変さじゃなくて、
「拒否されて、何も打つ手がないもどかしさ」
これが、大変なのだ。
よろよろした手で、良かれと思ったものが返されるのだ。

この前は、手招きするから行くと、七千円くれた。
「返して」
というから両替かと思ったら、本当にくれる気らしい。
「ありがとう」と受け取って、旦那に報告した。
これは、とても珍しいことで、何かを察した私は、義母の足の長く伸びた爪をニッパーで切ってあげた。本当に伸びてて、若い女性の付け爪ぐらいあった。
「いいよ、自分でするから、ありがとう」
と、いつものように断られるが構わず切った。自分でできるくらいならやっているはずだから。
爪も私じゃ、拒否されるから、通所リハビリのお風呂に人に頼んでも、五日間のショートステイの人に頼んでも切れなかった。拒否するからダメだった。心が傷つくけど、勇気を出して切るしかない。
「爪を切ってくれた」
と旦那に報告しているから、義母も嬉しかったのは確かだ。
今度は、起きている時を見計らって、みかんの寒天でも食べさせるか…。
結果、
「私は、食べたくないのありがとう」
玉砕した。
べったりの付き合いは、嘘っぽいけど、つかず離れずがいいよね~。
きっと、たぶん。

2 thoughts on “今日も暑い

  1. pekapeka 投稿作成者

    本当、暑いですね。
    今日は、鍋でゆで卵を茹でていました。
    私は、お玉でゆで卵をすくいあげて、すぐ乾くので、火を止めて置きました。
    お母さんは、横になっていました。
    なんもかんもスローになって行きますが、私のパートの仕事で、そう思われているかもと思うと何も言えませんわ。

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