うみは お月様からやってきた

ふかい ふかい
うみの おと
きこえますか

わたしはまだきこえません
深海のおと
きいてみたいです

どんな おとが するんだろう

深海のあのいろ
ふかい ふかい うみのいろ
すいこまれるいろ

あのいろは
黒じゃなくて
濃い 濃い 青なんだって

かぎりなく
黒にちかい 青

きれいだなあ
きれいだなあ

あの うみのそこには
何が あるのかなあ

三種の神器の
ひとつ
草薙の剣

地元の神社に
まつられているよ

なまえの由来を
教えてもらうまでは
正義の剣かと
想っていた

敵を倒すときに
火で燃やした草を
なぎ倒したから
と 言われてるけど

ほんとうはね

むかし むかし
平和に暮らしていた
草の系譜の人々を

侵略者たちが
剣で
切って 切って
切りまくって
皆殺しに
したから

草薙の剣
なんだって

その剣には
殺された怨霊さんたちの
想いが
封印されていそうだね

かなしいね
かなしいね
かなしい物語という真実

じゆうにさせてあげたい
だれか
剣を
壊してください

火の時代が終わり

水の時代のはじまり

もう火の時代の 剣は
いらない

水の時代の 剣で
火 を終わらせてください

もしかしたら
ふかい ふかい
うみのそこに

その剣が
ねむっているのかもしれない

だれか
その
みず の剣で

血塗られた 剣を
壊してください

みずは
すべてを写す
善も悪もなく写す

だから
みずを とても怖れる存在もいる

ありのままに
なってしまうから
醜い姿を 受け入れられないから

みずは どんな形にも
変化する
みずは どんな意志にも
染まる
みずは すべてを
受け入れる

器が
とてもおおきいのです
それは
ママのような
おおきくて
やさしくて
あたたかい

うみ は
みんなの
ママ

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