#13 いま、憲法について考えてみる その2

~ 聖徳太子の憲法十七条、おぼえていますか。~ 



憲法十七条は、明治時代の「五箇条のご誓文」にきちんと引き継がれているとお聞きして、確かめてみたら、千年以上の年月を感じさせないくらい、きっちり継承されていることが、よくわかります。
「なんと素晴らしい日本!」とお思いになりませんか?

憲法十七条については、下記サイトで原文、読み下し文、現代語訳などあります。
   http://www.geocities.jp/tetchan_99_99/international/17_kenpou.htm  

そして、端的にわかりやすいものが、下記にありました。

【四文字熟語で読む 聖徳太子十七条憲法】
   http://nezu621.blog7.fc2.com/blog-entry-2638.html  

   第一条 「以和為貴」和を持って貴しとなす
   第二条 「篤敬三寳」あつく三宝(仏法僧)を敬え
   第三条 「承詔必謹」みことのりを受けては必ずつつしめ
   第四条 「以禮為本」うやまうことを根本とせよ
   第五条 「絶餮棄欲」むさぼりを絶ち欲を棄てよ
   第六条 「懲悪勧善」悪をこらしめ善を勧めよ
   第七条 「人各有任」人各々任あり
   第八条 「早朝晏退」朝早く出仕し遅くに退せよ
   第九条 「信是義本」まことはことわりのもとなり
   第十条 「絶忿棄瞋」心の怒りを絶ち表の怒りを棄てよ
   第十一条「明察功過」功過を明らかに察せよ
   第十二条「国非二君」国に二君なし
   第十三条「同知職掌」職掌を知れ
   第十四条「無有嫉妬」嫉妬あるなかれ 
   第十五条「背私向公」私に背き公に向え
   第十六条「古之良典」古の良典を用いよ
   第十七条「不可独断」独断不可

私は、「明察功過」のひとつのあらわれが、いま、国会で審議中の「テロ等準備罪」(新聞社により、共謀罪ともよばれる)だと思います。

ニュースで、「ストーカーに狙われている女性が警察に相談に行っても、事件が起きないとなかなか取り合ってもらえない」という話が事後に出ることがありますが、まさにそれと同じで、「犯罪が起こらなければ何もできない」というのが、大きな事案から小さな事案まで現在の法律の壁です。

本来、一人ひとりが精神的に完成した状況にあれば、問題などどこにも起きようがないわけですが、例外なく皆、未完成の発展途上人ですから、生きていく間にいろいろな問題や事件が起きます。
社会にできるのは、個々が取り返しのつかない間違いを起こす前、事前に間違いの起きない社会をつくること、抑止力をきかせることではないかと思います。

みんな未完成だからこそ、暗黙のうちに「恥を知る」という文化を築いてきた日本人は、抑止力をきかせてきたという意味でも、大変優れた人たちだった(現状に鑑みて過去形になっていますが・・・)と思いますが、今は人心も多様化して法律による対応が必要な状況となったのだなぁ、と思います。

そして話題を戻して、「五箇条のご誓文」です。

  一 広ク会議ヲ興シ万機公論ニ決スベシ
  (現代表記)広く会議を興し、万機公論に決すべし。

  一 上下心ヲ一ニシテ盛ニ経綸ヲ行フヘシ
  (現代表記)上下心を一にして、さかんに経綸を行うべし。

  一 官武一途庶民ニ至ル迄各其志ヲ遂ケ人心ヲシテ倦マサラシメン事ヲ要ス
  (現代表記)官武一途庶民にいたるまで、おのおのその志を遂げ、人心をして倦まざらしめんことを要す。

  一 旧来ノ陋習ヲ破リ天地ノ公道ニ基クヘシ
  (現代表記)旧来の陋習を破り、天地の公道に基づくべし。

  一 智識ヲ世界ニ求メ大ニ皇基ヲ振起スヘシ
  (現代表記)智識を世界に求め、大いに皇基を振起すべし。

文語で格調の高い言葉ですが、小さいうちに覚えれば、この程度のことは、誰でも暗記でき、理解できるようになる短さです。
こういう短い基本的な部分を憲法としておき、詳細は個別の法律で対処するほうが賢いと思いませんか?

私は、細かい部分までを法律に照らさないと判断ができないというのは、人間が劣化した証拠であると思っていますが、今の世の中はとりあえずそれで行くしかないのもまた現実です。

精神性の高い人たちの世の中なら、光文書(ヒカリモンジョ)Vol.四九六、Vol.五二三、Vol.五三一で積哲夫先生が公開された三行で十分です。

   日本国ハ、国土(領土、領海、領空)ヲ、国祖ノ、みからだトス
   日本国ハ、天皇ヲ、みこころトス
   日本国ハ、国民ヲ、みたからトス

詳細は別途個別の法律によるとしても、これだけで察しあい、支えていく社会というのは、相当な民度の高さが必要です。
それでこそ、縄文文化のよみがえり、さらには日本文明の曙となるのではないか、と考えています。
後進のためにも、その方向性を目指しつつ、日本国ならではの憲法のあり方を考え、国家運営の方針を追求していきたいものです。

平成二十九年四月二十八日
阿部 幸子
協力 ツチダクミコ