Vol.742

勇気の意味

今のアメリカにおいて、光と闇の戦いが、一進一退を続けているように見えるのは、この世の人間が、聖書によって規定されている時代を生き、たましいを成長させた、最後の試練として、その勇気が試されているというのが、私の理解していることなので、今回はその報告をします。
精神学がお伝えしている、神性の精神の本質は、愛と勇気と正義の三位一体ということです。キリスト教会の三位一体とは、異質のように思えるかもしれませんが、一神教の宗教の伝えてきた神とは、全知全能であり、造物主という出発点を持つので、その教えの三位一体は、この世に現われた神のはたらきを、合理的に説明するためのもので、神性とは無縁のものです。
精神学協会は、人間は誰でも、可能性としてイエスになれる、ということころから、その知をスタートしているので、人間が神性を高めて、神格を与えられるようになるためには、愛と勇気と正義の三位一体をマスターしなければ、そのポジションには上がれないということをお伝えしてきました。
今回のアメリカの大統領選挙において、あまりに多くの不正が行なわれ、それによって、当選したことになっている大統領が生まれてしまいました。
このことは、人間がつくった、人間の理想を現実化するための、アメリカの独立宣言から今日までの歴史が、人間の暗黒面をこの世に国家として出現させるためのものであったということを示しています。
キリスト教文明が、その理想を求めてつくった人造国家が、いつの間にか、この世を支配してきた闇の勢力の手先として、今日まであったということを、今回の事象は象徴しています。
精神界からは、かねてより、アメリカ合衆国には、闇の宿痾というものがあり、それは、マネーによる支配権を持つ人間グループが、無神論というべきか、悪魔教というべきかのアンチ・キリスト勢力であるということでした。
歴史を調べれば、よく分かるように、アメリカの支配層は、たとえば、ソ連邦を生んだレーニンやその後を継いだスターリンに、あるいは、中国共産党を率いた毛沢東に、ある種の親和性を持っていました。それは、無神論というものが、近代の出発点である、神の名のもとに世界支配が許されるという、資本主義の世界展開の当然の帰結であるからです。こうした歴史の結果として、アメリカ合衆国が、史上最強の帝国として、二十世紀から、世界を事実上支配するのですが、そこに挑戦する共産主義の中国というものを育てたものも、そうした、アメリカの事実上の支配者たる人間グループでした。
トランプ大統領を支持する善良なるアメリカ人は、自分たちの建国の理念に基づくアメリカという国家を取り戻そうとしているのですが、その正義を求める動きに軍をはじめとする国家機関は、いまのところ応えようとはしていないように見えます。
それはなぜでしょうか。いまの時点で、私が理解しているのは、愛があっても、正義がそこに見えていても、行動するための勇気を、いまのアメリカ人は持てないということなのです。
その人間精神の健全さを阻害しているエネルギーは、アメリカ大陸の地底につくられてしまった地獄に由来するもののようです。
悪魔教は、人間のたましいを集めた、地獄のエネルギーを、地上における人間支配のために使うノウハウを持っています。その最大の影響力は、人間の恐怖心を刺激するところから生まれます。善良な人間は、悪の共犯者となった人間集団には簡単に対抗できないことを、歴史は教えています。人間の歴史でいうと、この最後の勇気を発動させるためには、自分だけではなく、その子孫までを対象にした死の恐怖を克服しなければなりません。それを人間の歴史のなかで、唯一、達成したのが、日本の武士道と呼ばれるサムライスピリットでした。それを教えるために、死は終わりではないことを教えるために、日本の光の戦士たちが、アーリントン墓地を目指したのです。そのはたらきが現実化するとき、アメリカ人も日本人も、真の意味での自由に目覚めるのです。

二千二十一年(神紀元年)一月二十八日 積哲夫 記