Vol.652

令和と増税

実は、この増税に関する文書は、御代がわりの五月一日に出すべきであったかもしれないものなのですが、あえて、このタイミングで公開することにします。
普通に考えて、年号がかわるときに、わが国の政府というものは、新しい天皇の即位をことほぐ意味でも、国民に何かよきことを提供しようとするものです。すぐに思いつくのは、大赦という言葉ですが、今回は、それも限定的だと予測されています。また、このまま進むと、日本と世界に向けて新天皇の即位を宣言する即位礼正殿の儀が行なわれる十月二十二日は、十月一日の消費税の増税後ということになります。
これは、日本の国柄からいうなら、新しい天皇の時代は、増税の世であるという宣言に等しいものです。
このクニの政府と官僚機構は、そこまで皇室をないがしろにしてもよいと思っているとしかいいようのない事態が進行しているということです。これによって、このクニの政府と官僚は、天皇にも忠誠を誓わず、国民にも奉仕する信念を持たず、ただ、自分たちのことと、彼らが主人だと信じている外国の人間グループのことを考えて、行動しているらしいということに多くの日本国民が気付きはじめることになるというのが、私がお伝えしたいことです。
よく知られているように、いまの内閣総理大臣と財務省の消費税をめぐる暗闘は、結果として、デフレ脱却と経済を成長軌道にするというアベノミクスの目的を阻害し続けてきました。
ところが、この経済政策によって、最大の利益を得たのが、共産党の中国で、日本国内で投資先を失った資金の多くは、アメリカのウォール街を経由して、中国に提供されました。そのマネーを根拠に、中国はヨーロッパやアメリカの企業を買収し、世界経済の覇権を握るかのような勢いを見せたのですが、このマネーの侵略を許した、クリントンとオバマというアメリカ大統領に変わった、ビジネスマン出身のトランプ大統領は、中国との経済戦争を決意しました。その意志決定に、わが国の安倍首相が深くかかわっていたというのが、現在までに知られているところです。
安倍首相は、日本国内の政官財のネットワークのなかにある戦後利得者のグループと対立しており、トランプ大統領もアメリカのディープステートといわれる人間グループと対立しています。これまでのアメリカを支配してきた人間グループの一部に、かつて、ジャパンハンドラーズといわれていた日本国にあれこれ指示のようなことをする民間人のグループがいて、その言葉の伝達者をしていたのが、日本国内のマスメディアでした。
その彼らの声が、いまの日本のマスメディアからはほとんど消えているのはなぜでしょうか。すくなくとも、トランプ大統領がホワイトハウスにいる限り、彼らの復権はないでしょう。つまり、彼らは一部のアメリカの代弁者だったからです。この仕組みがあきらかになって、多くの日本人が発見したのは、彼ら白人のジャパンハンドラーズと同じように、日本人のなかに彼らと利害を共有する多くのジャパンハンドラーズがいたということです。
この令和の時代に、消費増税を強行させようとする勢力の多くは、その残党といってもよい者たちでしょう。彼らは財務省のなかにいるだけでなく、外務省やその他の省庁に根を張り、マスメディアも支配下に置いています。その彼らの利益は、その他の日本国民の犠牲の上に成り立ってきたということが、やがて、歴史のなかであきらかにされていくはずです。
ここで、もし、彼らが勝利して、消費増税に成功したら、日本経済は失速し、日本発の大恐慌に世界を引き込むことになるはずです。理由は簡単で、米中貿易戦争で中国経済が失速すると、米国の景気も暗くなります。また、ブレグジットでEUの経済が混乱すると、ドイツの金融の時限爆弾ともいわれるドイツ銀行、その他の不良債権問題が浮上するはずです。このタイミングで、世界最大の債権国である日本経済が失速すると、何が起きるのか。リーマンショックを吸収するために、世界各国の政府が供給した莫大な数字上のマネーが破綻の方向に行くことは間違いないでしょう。
日本国の経済力は、平成の時代に、どんどん縮小の方向に動いてきました。その背後にはアメリカの悪意があり、その分を、共産党の中国に提供するという何者かの意志もあったと思ってください。その結果、このまま行くと日本の参加なしに、次の世界の経済の再構築は無理という、ある種の合意が形成されるタイミングが近づいています。消費増税をすれば、そのチャンスを失うことになります。その意味では、あと六ヶ月で令和の日本の命運が決するといってもいいのでしょう。

二千十九年五月九日 積哲夫 記