vol.511

海をしらすもの

日本の排他的経済水域で、九州よりも広大な面積のマンガン団塊の資源が確認され公表されました。メタンハイドレートやその他の海底資源についての情報は、資源のない小国という戦後教育の出発点を崩壊させるものなのですが、まだ、多くの国民が敗戦後につくられた夢の中の住民であり続けています。半島と大陸の国家の名称は変わりましたが、いまこの国を取り巻く状況は、明治時代の日清戦争前夜と同等か、それ以上に悪化していると、すくなくとも私は考えています。
日清と日露の戦いでは、間違いなくこの国の神々の関与があり、大本教をはじめとする神々の代弁者としての能力を持った人間たちも、積極的にこれにかかわりました。その結果の勝利でしたが、日米戦争においては、この国の神々が、沈黙を守ったというのが私の知るところです。昭和天皇が、最後まで、わが国とは違いはあっても同じ民主主義的価値を共有する英米との戦争に反対されていたことも、現在では多くの国民が知るところとなっています。それでも、この国は、戦争に突入し、アメリカに暗号を解読されていることを最後まで認めなかった大日本帝国海軍は、主力空母4隻を失ったミッドウェー海戦以降、負け続けました。
この2016年の8月に到って、この海の戦いに敗れた理由が、記紀にあったことが私の意識上に伝達されたので、今回はその情報を公開しておきます。
対談の「記紀は時空の設計図」でお話ししたように、いまの世界の秩序は、スサノオの子らのウシハク統治を前提につくられています。そこでは、力、つまり暴力の裏づけのある統治システムが当然のことのように、人間を支配しています。この力を、いまの時代では、マネーといい替えても、いいのですが、軍事力とマネーはセットというのが、世界の常識です。
この常識とはまったく別の幻想を、アメリカの占領支配下のナイーブな日本人が信じたのは、日本ではウシハク支配が神話的にいうと初代の神武天皇の時点で終了したという記紀の物語を持っていたからにほかなりません。そして、その記紀の情報を正しく解析すると、海を支配することを命じられたスサノヲ神が、その役割を放棄したまま、現在に到っていることがわかります。
キリスト教文明は、スサノヲ神の文明というのが、私の知らされているところなので、その主役は妬むものであり、荒ぶるものです。20世紀のアメリカは、まさに、日本を妬むものとして、日本を敵視しました。そして、日本に勝利したと彼らは信じていますが、私が知らされている地球の精神界のプログラムでは、神の国を求めて、西の方へと旅に出た原理主義的キリスト教徒が、ローマのキリスト教とは、まったく別の進化をとげたキリスト教精神によって、千数百年前に建国された日の本を発見し、他者のために祈ることを天命とする国家元首のあり方を知りながら、その民を黄色い猿と思い込ませた、リーダーはその国を滅ぼす行動に出ます。
その行動は、イエスを十字架に と叫んだ、当時のユダヤ人に重なるのです。
精神界の物語では、広島、長崎は、単にひとりの大統領の狂気が生んだ悲劇ではなく、アメリカ合衆国という国柄を象徴する原罪です。
2001年まで、そのアメリカに神の息吹きがあったのは歴史的にも事実でしょう。
その光が失われて、16年が経過して、今年の大統領選挙で、はっきりしたのはひとつの帝国の時代が終わりつつあるという現実です。その地位を狙う大陸の国家とのトラブルが、これから世界各地で多発し、この国でも、新しい時代のための政治的な意識の覚醒が進むはずです。そして、これが、いちばん重要なのですが、日本神界の神格であるスサノオが、この地球の海をしらすようにするための何かの動きが、これからはじまるはずです。それがなかったが故に、キリスト教文化圏のイギリスとアメリカに、海を支配されていたということなのです。記紀の物語が、指し示しているのは、正しい日本の姿です。歴史にもしはありませんが、これから、アメリカの日本に対する戦場での戦争犯罪に光が当たるプロセスで、アメリカの原罪にアメリカ人自身が気づくときに、アメリカには再び神の息吹きが復活することになるはずです。その日が早ければ早いほど、世界は苦しみから早く逃れられるといえるのです。
この物語は、日米の間のもので、それが次の時代をつくります。

2016年9月1日 積哲夫 記