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歴史から抹消してしまった国防と国益 64
―ポピュリズム政治とリベラリズムと多様性がもたらす病-

 いま先進国は、リアリズム(現実主義)の世界に入っていて、いままでのリベラリル政治では国民国家としての存命が出来ないことに気づき、ポスト・リベラル政治の政(まつりごと)に舵を切りました。(私個人は、左翼・右翼というイデオロギーのカテゴリーで分けるのは古く、「保守」と言う言葉も古くなっていると思っています。世界の大きな流れは、価値基準を民族主義や古典主義に戻っていて、国家民族主義というニュアンスに換わっていっています。)先進国のほとんどは、「グローバリズム」と「リベラリズム」から文化・民族・伝統に立ち返る政策になっていて、トラディショナル政治(民族の伝統や民族の価値観)に戻って国づくりがはじまっています。これまでは、グローバリズムを中心としたジョン・レノンのイマジンの世界でした。しかし、国内では他民族との共存は限界があり、経済問題と民族の慣習の隔たりは広がる一方で、住民の分断と民主主義が通用しない社会になってしまいました。その最たるはヨーロッパで、移民を大量に入れたことによって、自分たちの生活を苦しめて国民国家の体をなさなくなってしまいました。ドイツでもイタリアでもフランスでも民族の衝突がおこり、おさまる兆しはありません。最近では、スウェーデンまで存亡の危機になっています。かつては、北欧の「人類のモデル国家」とも言われ、社会保障が充実し最も住みやすい国として、世界中から注目されていた国家でした。しかし、いまは移民政策の失敗によって、大量の失業者を出しギャング大国になってしまいました。しかも、犯罪者が低年齢の10~20代が、ギャングに入り「闇バイト」で殺人までする事件が多発しています。

つい5~6年前までは、多くの先進国で、「国境のない世界」「宗教がない世界」が新しい人類のカタチだと信じ、グローバルでリベラルな生き方こそ、次世代の生き方だと考えられていました。しかし、他民族の移住問題と貧困化が同時に起きて、コントロールが出来なくなってしまいました。パンデミック前から、多くの市民は、リベラル政治とポピュリズム政治に違和感を持っていましたが、どこかでイマジンの世界へのあこがれと人類の希望であると信じてきました。
しかし、実態は「理想と現実」の大きな隔たりがあり、難民や移民を受け入れれば入れるほど、自国民の豊かさとは反比例になり貧困化になっていく現状が、庶民の生活を圧迫していくまでになりました。2016年にドイツでは、メルケル首相が「ドイツは移民を受け入れる」と発言したことによって、悪夢がスタートしました。当初は、ドイツ国民はメルケル首相を喝采して、難民や被災者を人道的に救うのは当然であると、国民の大半を信念で受け入れに賛成しました。それをすることで、誰もが幸せになり豊かな生活が出来ると信じてきました。しかし、実体は自分たちの生活圏の治安が悪くなり、貧困にも繋がっていく最悪な状況になりました。2016年以降、ヨーロッパではシリアの内戦によって大量の難民・移民が流れ込み、日増しに外国人が増えていきました。EU内は、人の出入りが自由にできるので、誰がどこに住んでいるかもわからず、犯罪者やテロリストのチェックが出来ないまま大量の人を受け入れてしまいました。
“EU Refugee Crisis”で検索すると出てきます。8~9年前ですが、難民で来た人たちは自国に戻らずEUにいます。

日本では、「難民や被災者は可哀想」と情緒論で語りますが、一度入れてしまったら彼らに「帰国してください。」とはなかなか言えません。さらに、動画のように言語も通じない人たちが、集団で突如現れたら綺麗ごとではなくなります。何万人もの難民が道に列を作り、大量に押し寄せてくるのですから、住民にとっては恐怖でしかありません。想像してみてください。言語の違う男性が10~15人がたむろをして、あちこちの街角に現れたら、恐怖心が出てくるのは当たり前です。街の景観も壊れて、子供たちも1人で歩かせることが出来なくなります。
難民で来るということは、寝る場所もなければ休む場所もありません。行政が用意しない限り、道端で座わり横たわる者出てきて、ホームレスと同じ生活を始めます。そして、文化圏が違うということは、これまでの道徳や常識が通じなくなります。難民が雨風を凌ぐために、軒先に寝泊まりする者や、そこら中にゴミを捨てていく者が出てきて、いままでの常識では通用しない社会に変わってしまいます。さらに、空腹になり寒くなれば、盗んででも生きようとする本能が出て、空き巣や強盗が増えて治安が悪化します。ドイツのある地区では、1階の外側の窓に鉄格子を設置して、ガラスが割られても中には入れない防犯対策をとりました。町中が刑務所のようになり、かつてあった牧歌的な景観から、どこか殺伐とした街の空気に変貌してしまいした。さらに、女性が夜歩いていたら強姦される事件が多発して、治安が悪くなり女性が夜で歩けなくなりました。知らないうちに、自分たちの自由を奪われ理想とはかけ離れた社会になってしまいました。
日本のオールド・メディアは、事実を理解せず偏向報道をして、いまだに「多様性」が正しいと信じて報道をしていますが、世界の潮流は行き過ぎた自由主義に対して、自由民主制から民族国家制に戻ろうとしています。この大きな時代をつかめずに、ポピュリズムとリベラリズムの視点で、ものごとを見て報道をしています。欧州や北米は、国民生活が壊れてしまい、どのようにして立て直していくか深刻な状況になっています。

いまのオールド・メディアは、事実に基づいた報道でなく、過去の価値観と情緒論で語っているので、未来につながらない報道を流しているだけです。保守系の知識人が「リベラル」「多様性」を批判すると、すぐに「自由を阻害する」とか「多様性社会を否定している」と言って、問題がどこにあるのか煙で巻いてしまいます。実は、日本国内でも地方の安い土地は、外国人に買われて治外法権の街を作ってしまっています。他民族の移住は、少しずつ始まっていて「忍び寄る侵略」が日本でも展開しています。
この忍び寄る侵略は、気が付いた時には外国人の居住地区になり、日本の法では裁きができないカオスの地域を作ることになります。次に起こることは、日本の税金を使って司法・地方行政・国家行政で外国人のために解決をする社会になっていきます。納税もしていない彼らのために、公共機関をつかって時間とお金をかけて、解決したとしても日本人の生活の向上には繋がっていません。(むしろ、解決できないことの方が多いと思います。さらに、行政が面倒になり不起訴とかたらい回しにして、事実放任にするケース。)いま、日本国内で納税している人間が貧困になり、移住してきた他民族が豊かになる奇怪現象が起き始めています。

この移民問題の本質は、ヨーロッパでは民主主義が機能しなくなり、追随してアメリカ政治も機能不全になって国家運営ができなくなってしまったことから始まっています。私の見立てでは、ヨーロッパはあまりにも大量の移民・難民を入れたことで、国家運営はできなくなっています。そうすると、民族差別を公然とした民族主義にもどっていくでしょう。次にヨーロッパで起こることは、民族排斥運動が広がり、内戦か民族間の衝突が頻繁に勃発していくでしょう。文明の衝突が、人類の最悪のシナリオとなり民族の殺戮が始まっていきます。
アメリカは、トランプ氏の出現によって、どうにか亡国までの危機を回避しました。(回避という言葉よりも、一時停止ぐらいの状況です。トランプ政策が吉なのか凶かは誰もわかりません。ただし、スピードをもって1940年代の国家体制(孤立主義)に戻そうとしています。自国の中で回せる社会。)
では、日本はどうかというと。悲しいことにその後を追っているのが日本の姿です。ただし、欧米に比べれば被害は小さいですが、日本は他民族の共存の英知が乏しいので、非常にまずい状況になっています。国会議員も地方議会も国際社会のGrand Strategyを持っていません。加えて、知的な階層が高い人ほど、リベラルリズムが知的な証だと信じてメディアを占領しているからです。(知的階層:メディア界・経済界・アカデミック界は、ほとんど過去の産物を信じて人知のアップ・デートをしていない。)

―偏向報道が民族の弱体化と亡国の入り口-

久々に日本の大手のニュース番組を見ると、事実とは違う偏った報道ばかりで、日本人に考える場を提供していません。特に、移民問題になると「可哀そう」とか「人道的」という情緒論で語って、その先にある真実を伝えていません。今回のトランプ政権の不法移民・不法滞在者問題は、短絡的な情緒論では解決できないところまで来ています。日本のオールド・メディアは、受け入れた難民と移民の先にある真実は、「報道しない自由」によって真実を報道していません。報道陣(キャスターや政策側)の大半は、過去の性善説で社会を見て時代錯誤の報道をしています。さらには、自分たちには関係ないという感情からくるのか不勉強かわかりませんが、日本国内ですでに始まっている「迫りくる危機」を理解していません。

さらに、彼らの思考回路がアップ・デートされず、「リベラリズムと多様性」が民主主義の柱と信じていることです。この価値観は、宗教観と民族観の対極にあり、自由の拡張が民主主義を機能不全にしたことを世界は気づきはじめました。日本のオールド・メディアだけが、既存の価値観が正しいと、いまだに信じていることです。だから、政治・経済の報道はいつもぼやけた報道をして、事実とのピントがあっていません。(次回、このニュースがどれだけピンボケな解説しているかを、1つ1つ事例を挙げたいと思います。)これでは、世界とは渡り合っていく日本人は育ちません。
世界の先進国は、民族主義(保守主義)の政治に舵を切り、リベラリズムと大衆迎合のポピュリズムには未来がないと判断しました。つい先日、トランプ大統領が「性別は、男と女以外はない」と発表したのは、「LGBTQは政治の問題ではない。」と断言したことです。さらに言えば、「リベラリズムとは決別する。」と言い切ったことです。大きな時代の流れを変えました。世界は、自国民を守るために全身全霊をかけた戦いがはじまっています。どこの国も、民族の魂の叫びが各地で起きて「亡国になりたくない」と悲鳴をあげています。あの敗戦国のドイツですら、保守陣営に政治が変わりました。大国である日本の石破首相だけが、リベラルと大衆迎合(ポピュリズム)の政治をして国益につながらないことをしています。
いまこの国は、巨大な船に船長が不在で航海しているのと同じです。目の前には、巨大な嵐が刻々と押し寄せてきています。それにも関わらず、誰も舵を握っていないのが、この国の姿です。政治が機能不全だと、世界の大混乱に立ち向かうだけの国力を要しません。必ず、そのスキをついて他民族は、侵略と民族の大移動が起こります。国内では、いまの日本人が信じている「リベラリズムと多様性とポピュリズム」の価値観が、自国民を弱体化させて他民族の奴隷として生きる「国づくり」に変わっていきます。まさに、「亡国」の入り口に日本はたっています。
いまの政治やメディアやアカデミックの世界が、刷新して変わらない限り日本の本質的な解決にはなりません。そのためには、日本人一人一人が民族の価値基準に思考を戻して、価値判断をしていくしかありません。そうすると必然的に、民族の強い意志が芽生えてきて、大きく国が変わってきます。ただし、時は待ったなしの状況です。世界情勢の崩壊が先か、民族観を取り戻せるタイミングが先かで、日本の将来が決まります。