縁 エン 得ん 3

その日の朝刊で7日ぶりに鵜飼が再開。を知った
その日は歯医者の治療を予約していた。
姉からその日指定で・手入れに行くわ。と連絡がきたとき
・歯医者で外出するけど脚立出しときます。と返事した。
その日:5月30日

天候は午前中雨。

連絡がきた
・午後には雨も上がるだろうから午後行くわー
・おせわなります
と返事した。まぶたの裏で両親がウインクするのが見えた。
これでよし

私がここで張り付いて待っているより姉の好きなように動いてもらえばいい
動きやすいように玄関の鍵もわかりやすいようにしておいた。枝葉の収納する袋もたくさん出しておいた。
剪定のさいの動線にものがふさがっていないようにした。
これでよし

庭に声をかけた
・あんばいよくしてもらうんだよー 私は出かけるけどね

両親のウインクが見えた意味がわかった
姉は私という人間が庭で張り付いていなかったので自由さで庭を好みに仕立て上げていた。
雑草をはじめ種々なる植物が消えていた。
自分が持ってきた苗を植えていた。
・遅かったねー 雨上がりで根っこがやわらかくてここらへんさっぱりさせたわ
・松のほうはまだこれからだよー
玄関は鍵がかかったままだった
私はすぐに手袋を持ちに入った
・ただいま。ちょっと待っててね
と猫たちにウインクした
これでよし

そうか松の木は私が帰ってくるのを待っていてくれたんだなー

・もうーやめよかー
と姉の声がかかるまで黙々と松の新芽を摘んだ
五時半だった

5月23日
長良川の鵜飼の船頭さんに鵜は見つけられてよかったなー
船頭さんは鵜をたすけんと川に飛び込んでそれが最期となってしまったがその鵜を見つけることが出来てよかったなー

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