並進

五里霧中というトンネルをくぐり抜けたらそこは庭だった。
青い空。明るい日差し。木々のみどり。あちこちで歓談するたくさんの人たち。カメラ。

東京のその地へ向かう前夜眠れなかった。あした行われる挙式の現場の中に自分を見出すことが出きないという五里霧中。
そしたら ふっと、
夫の亡き姉の姿を思い浮かべることができた。ああお姉さんー
そうだ。このお姉さんだー とあしたの東京の地に自分を置くことができた。そして眠った。

自分にとって(なんだかすごいなー)という現象がふたつ起こった。

息子の職場の人からのスピーチの中でホスピタリティという言葉が何回もあったこと 花嫁さんの両親へのおたよりスピーチにもホスピタリティという言葉が出てきたこと。花嫁さんはすでに何回もホスピタリティという言葉がでてきたので (ちょっとかぶってしまいました)的なほんの1秒くらいの笑みがこぼれた。

それともうひとつは息子の結婚式に集まってくれた私の回り女性が長女長女長女だったこと。
それも第一子の長女。
おもった。日本の土台づくりには長女の血と汗と涙の下支えがあったのではないだろうか

前夜脳裏にうかんだ姉も一番目の長女。
私の娘も一番目の長女。
よろこんで参列いたしますと返事くれた姉も一番目。
花嫁さんRちゃんも一番目の長女。
花嫁さんRちゃんの母親も一番目の長女。
母も祖母も一番目の長女。

ひたすらひたすら親のもとへ一番先に駆けつけた長女。
ひたむきさでもって時にはそれが自分にきびしさを突きつけるような現実を巻き込んだりして葛藤した長女。、、、

披露宴のあいだも こんなことをぼーーーーっとしながら妄想していた。(私は三番目のそれも末っ子。長女の心のひだを垣間見ることなどいままで一瞬たりともなかった。私は長女を労わることを欲し始めているのかもしれない、、、)

五里霧中を味わったこともすっかり忘れたのは着物を着たときだった。
ああ私は約束のときに約束の地へぶじ到着し約束の衣装を着せてもらっている
。。

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