丹精 3

空港の広い広いロビーにあるたくさんのソファー。
ほどよい場所にあるソファーを選んだ。
外の厳しい寒さをさえぎってくれて助かった。
腰掛けながら
日付が変わるのを待っているとき
・タクシー乗り場にタクシーが一台も無かったのはほんとうに助かった。
 タクシーで鉄道駅まで走ってもその先
外気から身を守れる手立ては最終電車に間に合うしかなかったから。
宵越しの資金は持っていない。
こういうときの思考訓練、いさぎよい覚悟は長い貧乏人生で鍛えられている。
そしてたのしむ術も同時に持たされている。
腰掛けに飽きてくるとロビーの中を運動のつもりで歩いた。
私は足首が硬い。うちへ戻ったら足湯してオイルを塗って、、、と考えながらあちこちを動いた。
国際カラー豊かななかなかの光景だった。そして
コンビニへいけば味噌汁も飲めるありがたさもうれしかった。
ソファーに戻りまた静かにしていたら施設内の婦人警官のひとが近づいてきた。
・あ。日本人のかたですか?
・はいそうです
・荷物気をつけてくださいね
・はい
時間とともにソファーは人でいっぱい。
床に横になっている人もあちこちに見られた。
・お父さんここは外国だよ。荷物きをつけて
と夫に言った。

2324と弾丸で動いて25日
夫に噛み付いた。
旅の疲れで心に余裕がなかった
・少しもあたたかくない、エアコンつけていても仕方が無い
この一言で私は一気に怒りを言葉にした
・自分を救ってもらおうと勘違いするな
・自分の身は自分で守れ
防寒用のショールひざ掛けに手を伸ばさずにぼやく夫にとことん腹が立った。

日替わりで場所場所で気温は急変する時代にもう突入している。
自分快適さを気温に求めるさまに
人間は謙虚さを学ぶ余裕も無いまま自然のとどろきに放り込まれるのだとおもった。
ここでストップすればいいのに私は怒りの火が燃えるに任せてもう一言放った。
・私はあなたを救わない

噛み付いた後スーパーの買い物に車を出しもらった。
公園の日当たりのいい南向きの場所に駐車してお弁当を食べた。
そのあとそのまま車内で休息時間を持った
夫はまもなくするとグーグーといびきをかいていた。
さんさんの光線が体の隅々まで届いた。全身あたたまった。

夫にもうすこし補足したほうがいいかな?とこのときおもった
・助けてほしい助けてあげたいというコミュニケーション。これから私たち夫婦には大切なんだよ

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