いざ アクセント

あ。そのとき
わたしの身体の全細胞は
みごとにひとつの「あらわれ」を感じていた。
その「あらわれ」とは
「友好」だった。。
数メートル先に長姉がいた。
同じ地下鉄の同じ車両に乗っていた。

母の8ヶ月ぶりのおおきな病院での検診。
5月に急変による事態があって以来の通院。
三姉妹。病院の受付で会うことになっていた。

それが 稀有なことに 車両で鉢合わせたのだ。
それも
先に見つけた自分は
少しもためらい(異常)が思いの中になかったことがとても感動だった。
さっさと姉の近くにいって「おはよう合図」をした。
いままでこんなふうに「なれなかった」。
「なりたい」と感じている自分に気がついていたけど
「なれなかった」。

全細胞のあちこちがマチマチの方向を向き始めてしまっていたのだ。
・隠れちゃえばいいよー
・知らないふりしちゃえばいいよー
・偶然を喜んじゃえばいいよー


姉は突然乗り物の中でわたしが現われるものだからびっくりしていた。すぐに満面の笑みを見せてくれた。

姉妹として母を見守る自分にとって印象的なアクセントになった。

たいへん混雑した中での検診もとてもリズムに乗った軽やかな空気に包まれたものになった。
母を見つめる自分の気持ちもあたらしいものになっていた。
なんといったらいいのだろう。
三人姉妹の中の(役割分担をしている)自分
でもない。
母にとっての(たいそうなことをしている)わたし
でもない。
わたしはわたしにおもむいている(だけ)という実感。

出かける前。光のオイルのタイプⅢを頭に塗った。
・雨 強いよー 車で送ってあげようか (夫)
・いい。自力で行きます (自分)
そのとき
直後 雨はパラパラになった。

そうか車で送ってもらっていたら・・・
ああ。一瞬一瞬ふしぎに包まれているんだなー

コメントを残す