10の巻 <ビジネスとは・・・1>

Sekiさん「君は、ビジネスがしたいんだろう?」
ワタシ「はい。今もビジネスをしているつもりですが・・・」
Sekiさん「ビジネスというのはね、数十億規模以上の事業を営むことを言うんだ。今の君の会社の売上げは?」
ワタシ「えっ?そうなんですか?ワタシの会社の売上げはまだ・・・、恥ずかしくて言えません。でも、数十億規模というと、ワタシの会社がターゲットにしている業界では、ある程度名の知れた、自社ビルを持っているような企業です。結構大きな規模なのではないかと思いますが。それより小さな規模の会社は、ビジネスをしていることにはならないのですか?」
Sekiさん「ああ。ビジネスではなく、小商いだな。小商いには経営者は要らないからなぁ。君は、ビジネスがしたいんだろう?」

また、同じ質問だ。Sekiさんが同じ質問をされるなんて、めずらしい。よっぽど、今のワタシには、ビジネスができていないと仰りたいのだろうか?

ワタシ「会社を経営するからには、もちろんビジネスはしたいと思っていますが、ワタシに数十億もの規模のビジネスなんてできるのでしょうか?」
Sekiさん「まあ、今の君にはムリだろう。」

そっそんな!ちょっと、はっきり言いすぎなんじゃない?

Sekiさん「しょうがないから、メッキをかけてあげてるけど、早くほんものにならないと、誰も相手にしてくれなくなるよ。」
ワタシ「メッキって何ですか?」
Sekiさん「あれ?気付かなかった?この間、国の支援事業に採択されたのも、その所為だよ。人によっては、君が、頭の良いデキル人間に見えたり、付き合っておけばメリットがある人間に見えたりするんだ。」

そういえば、支援事業の採択者説明会のときに、プロジェクトリーダーと紹介された人が、やけに親身になってワタシの会社のことを考えてくれているようなことを言われてたなぁ。
ワタシの会社には、開発部隊が無く、全て外注を使わなければならないはずで、コストもかかるだろうから、査定金額より余分に補助することに決まったと、別室に呼ばれて説明されたしなぁ。
それも、メッキ効果か。

ワタシ「メッキはどれくらいもつのですか?」
Sekiさん「なくなるときは、あっという間になくなる。気をつけないとね。
それから、ビジネスは、好き嫌いでするものではない、ということを覚えておくように。」
ワタシ「好き嫌いとは、取引する相手に対して、ということですか?」
Sekiさん「取引先に限りません。ビジネスには、感情は必要ないんだ。」
ワタシ「でも、経営者と話をする機会が多いのですが、好き嫌いで判断しているような人がほとんどのような気もしますが・・・」
Sekiさん「君の言う経営者とは、中小企業の社長のことだろう?その人たちは、ビジネスをしているのですか?」
ワタシ「ああ。そうでしたね。小商いですか。斯く言うワタシも小商いをしているのですが、相手が好き嫌いで判断するのに対して、こちらはどのように対応したらよいのでしょう?」
Sekiさん「感情というのは、こころで捉える不安定なものです。ビジネスは、頭で考えて正しい判断をし、決してブレない人でなければ成功することはありません。ブレない人になるには、何が必要かわかりますか?」

えーっ?何だろう。ここは、よく考えてみよう。多分、今までのSekiさんとの会話の中に、その答えがあるはずだ。

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