タケのバンクーバー通信

歴史から抹消してしまった国防と国益 73
―日本の復活と戦後体制の脱却 (中)-
いまのアメリカを見ることで、「日本の国づくり」と「日本人の生き方」が見えてくる

  
私も気が付けば、人生の半分は北米に住んでいる年になりました。これまで、アメリカ史はまったく興味がなく、ほとんど北米の国の成り立ちを知らないできました。最近、感じることは北米(特にアメリカ)の歴史や北米の人種の関係を知らないと、この国では生きていけないことを痛切に感じています。それと同時に、
「北米で日系社会がなぜ淘汰されているか?」 
その関係を知ることで、日本人が民族生存競争に負けた答えがあるのではと考えています。

 いま、世界はすごい勢いで変化をしていて、バンクーバーの小さな街ですら不気味な動きをしています。そして、カナダでありながらアメリカ社会と連動して動いています。住民の大半が移民で成り立っている街と言いうこともあり、世界のいろいろな勢力図が凝縮されて社会に反映されています。

 これまで北米社会が、チャイナマネーによって壊されてきたことを書いてきましたが、いま日本でも同じことが起こっています。この状況の先に何があるのかを、日本の人たちはあまり理解していません。この中国化が進行していくと、さらに日本人が生活困窮になり、日本人だけが貧困になっていく社会に進んでいきます。このレポートは、ある団体に4年前に書いたものです。(Noteに出したのは、去年ですがそれ以前に北米の中国化の恐ろしさをまとめたレポートです。)その当時は、日本は10~15年先の問題だと思っていたのですが、近年の外国人問題を見ていると1~2年先に西海岸で起きている現実が、日本ではじまると見ています。(いまロサンゼルスでは、不法移民取り締まりで、軍が出ていく事態にまでなってしまいました。)
 この状態を放置していくと、大都市を中心に大量の失業問題が始まって、街がゴーストタウン化して治安悪化が同時に起きます。これまで日本は、夜に女性一人でも歩ける街が、それが出来なくなります。加えて、子供が一人で出歩けなくなる社会になってしまいます。このレポートを一度目を通されると、日本はどこにむかって進むのか、考えるきっかけになります。
  
 話しは、アメリカに戻します。いま、トランプ政権の政策を短絡的に見たり、日本の報道だけを聞いていると、何をしようとしているのかまったく理解できません。先日、発表されたハーバード大学の国費のカットや留学生の停止などは、権力を使った暴君にしか見えません。しかし、単発の政策を点で見るのではなく 歴史や移民史を時間軸の線で見ると、
「どこにいまアメリカが向かおうとしているのか?」
トランプ政権がしようとしているのか垣間見れます。

 いま、日本のオールド・メディアをはじめ有識者は、トンチンカンなことを言ってトランプ政権を「独裁」か「ならず者」のような扱いで報道をしています。しかし、それは日本人を間違った価値判断にさせて、いま何がアメリカで起きているのかを見えなくしています。そして、その誤認は日本にとって存亡の危機に関わる問題にもつながっています。

 トランプ政権になってから、アメリカは令和の南北戦争が繰り広げられています。この壮絶なバトルは、日本には伝わっていません。
 アメリカの国づくりは、移民の流入と民族のパワーバランスで、この国を動かしてきました。建国当時は、アングロサクソン系が権力を振るいピューリタニズムがアメリカ社会を支配してきました。原住民のファースト・ネイションやケルト人やゲルマン人や黒人(当時は奴隷としてアフリカから連れてこられました。)が、イギリスから出たアングロサクソンによって力で統治してきました。戦後は、ユダヤ人が裏でアメリカをコントロールする国になりました。そして、2000年前後からは中国人の大移動がはじまり、共産党が金の力で国を動かすようになりました。(その大きな流れを作ったのは、クリントン政権下でした。まずは、中国にWTOの加盟を認めて自由主義圏に入れ、中国の経済の自由化を推奨しました。そして、中国人移民の緩和をして、大量に受け入れてアメリカ社会の中国化がはじまりました。)そして、チャイナ・マネーを政財界からアカデミックの世界までばら撒き、中国人に優遇する社会を作っていきました。そのチャイナ・マネーの汚染は、民主党だけではなく共和党にも浸透して、ブッシュ・ジュニアの時には中国利権で両党が汚染される事態までなりました。オバマ政権では、ピークになり北米が中国に乗っ取られる勢いであったことは間違いありません。これに、異を唱えたのがトランプ氏でした。
 これまでの歴史を見ると、アメリカという国は常に民族のパワーバランスによって、流動的に国づくりが変わっていく不思議な国家で、いまも流動的に変化しています。良く言えば、過去に引きずられずに、いろいろな文化を吸収していくダイナニズムを持った国です。悪く言えば、歴史の中から生み出された文化や人知が、お金の力で「国づくり」を変えてしまう国体でもあります。アメリカは、軽薄な人知で過去の国体を壊す危険な国でもあります。
 つまり、時代ごとにパワーを持った民族が、資本力で国のカタチを変えて、マネーで人をコントロールする多民族国家であります。その本質は、屋台国家(縁日やお祭りで、神社に出ている屋台と同じカタチ)で、つねにその胴元がマネーによって特定の民族を優遇する国体でもあります。学術的に言えば「人種の坩堝」と言って、素晴らしいグローバリズムだと言っていますが、実態は多民族の屋台村で成り立っている国家です。そこには、綺麗ごとでない民族の差別と熾烈な縄張り争いがあり、下剋上が前提で民族の壮絶なバトルが繰り広げられています。
 アメリカを知るには、日々変わる国の姿を客観的に見ていかないと、その正体を知ることはできません。そのためには、戦後に隠された史実を知り、自分たちがどのように支配されていったかの経緯を知る必要があります。その上で、日本人の民族観を通してアメリカの姿を見ていかないと、アメリカに振り回されて日本の未来を作ることはできません。
 いま日本の政治は、日本民族の為でなく外国に迎合するばかりで、日本人が貧困になっていく政をしています。そこには、民族観も国家観もない人が、他国に支配される体質(他国に迎合する体質)に染まり、自分たちの信念もなく自我を通すことも出来ない人ばかりが、日本の政治を担っています。これでは、激動の時代の国の舵取りはできません。
 いまの日本を見ていると、ダンベルを巻き付けて競泳をしている選手と同じで、日本だけが沈んでいく不思議な社会になっています。本来は、世界の中心に出て国際政治を動かす国家であるにも関わらず、いまの日本にはそれだけの気概を持った人はいません。
 この状態が続けば、日本はまた同じ過ちを繰り返し、アメリカから中国やロシアに属国のポジションが変わるだけで、日本民族はどんどん弱体化していきます。戦後80年経っても、戦後レジュームの脱却が出来ていません。

 トランプ政権は、古い既得権を壊して壊れたところに、新しい体制や価値観を入れて、新生のアメリカを作りたいと考えています。いまそこにトランプ氏は、日本に役割を担ってほしいと願っている節があります。はっきり言えることは、ここに中国ではないということです。アメリカ本土から、中国化を排除する方向にアメリカは舵を切りました。ここで、日本は大きな転機に来ています。
 Made in Chinaが抜けたところに、アメリカの産業の空洞化が起きます。そこの埋め合わせをどうするかが、アメリカ社会の最大の問題になっています。日本は、北米進出を真剣に取り組んで、かつてあった人とモノ(産業)と政治の日本村を作り、この屋台国家に参入して民族の存在を示す千載一隅の機会になっています。この機会を逃せば、日本は民族生存競争に負けて、アメリカ・中国・ロシア・朝鮮半島の属国として生きていくことになるでしょう。
 アメリカは落ちぶれたと言っても、「腐っても鯛」で世界の中心です。世界に向けて、アメリカ本土で日本人が主張するのと、日本国内で日本人が主張するのでは影響力が違います。将来、アメリカの国体が壊れたとしても、アメリカ大陸に民族村を作る意味はあると見ています。そこで、日本民族の力を示し経済と政治と民族(日本民族村)がセットになれば、世界の民族生存競争で生き残っていくことができます。

 この激動な時代に、いまだに日本人は過去に引きずられて生きています。(ドメスティックでしか通用しない労働システム。日本特有の学歴社会と、そこに付随する就職利権。)いま、中国人の日本移住が増えているのは、アメリカが対中政策をして中国人排除が本格的に始まったからです。その状況を見て彼らは、新天地と次の時代を創造して、自分たちの安住の地を求めて命を懸けた戦いをしています。日本人の知らないところで、中国人留学生たちは民族生存競争を意識して生きています。いま、日本に滞在している中国人は
「危機管理と時代を読むセンス」
「無を有に変えていくたくましさ」

を持ち合わせていて、自分たちの人生基盤を着実に作っています。彼らは、国家観と民族観を持っているので、世界に出て生きる英知を備えています。残念ながら、日本の海外留学生やワーホリは、海外経験をしても国際感覚が身に付かず、国際社会で生きていく英知を持っていません。中国人とは雲泥の差で、いまの日本人では彼らとは勝負にはなりません。これらの日本の人たちが戦う相手は、この研ぎ澄まされた国際競争を知った中国人たちと闘っていくことになります。
 その大きな時代の変革を捉えないと、これから迫りくる時代の波を乗り越えることは出来ません。まずは、幼少期から自国を知る教育(民族観・国家観)はしていかないと、他民族と競争も出来なければ共存すらできません。
 この激動の時代にこそ、日本人の気質や勤労文化に立ち返って生き方を考える時期に来ています。いま、若い人たちは夢も持てず将来に希望がないと言っていますが、日本の文化や日本の技術を持って世界に出ていけば、日本民族の復活に繋がります。北米だけでも、3億人をターゲットにした仕事があります。これから、日本人は中途半端な海外体験をするのではなく、自分の人生をかけた仕事を持って海外に進出すれば、いままでの闇から光の世界に向かうことができます。日本人が得意とする仕事を海外ですれば、他民族とは圧倒的な差で日本の勤労精神(自分生き方)の違いを示すことができます。そして、一人一人の人生が大きく変わります。

 次回は、トランプ政権のグランド・ストラテジーについて書きます。そこには日本が幾つもの切り札を持っています。その切り札に日本人が気づくかで、この国が亡国になるのか興国になるかの瀬戸際に立っているのか理解できます。

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