歴史から抹消してしまった国防と国益 76
「リアリズムに生きる中国人」と「言論空間に生きる日本人」(後半)
―日本国をターゲットにした民族大移動-

やっと、日本の中で移民問題がネット界隈でも騒がれるようになりました。中でも中国人が、法の下で留学生や労働者として増えていることに気が付き世間に知らされるようになりました。
 ただし、多くの人はその現実をよく理解せずに、何が問題かが解っていません。オールド・メディアを見ている人は、まったく関心がなく自国で何が起きているのか気にしていません。政治家もメディアも、中国人の流入に「言わず見ず」の姿勢を貫き通しています。

 日本の政治も酷いですが、日本のメディアとアカデミック(学者)の言論で飯を食べている人たちの隠蔽体質にも呆れてしまいます。不思議なのは、リベラルと称していた活動家が、この外国人問題になにも言及しないことです。この人たちは、日本人の人権をどのように考えているのか、いまだに良くわかりません。

 中国人を大量に受け入れた地域は、先住の人たちの生活を壊してしまい、移住者(中国人)が主導権を握る社会になった都市がいくつもあります。中国人の大量流入によって、地元の経済循環は地元住民が貧困労働者になり、決して移住者には勝ることのできない格差社会を作っています。その結果、地元住人が土地を追われ地方に追いやられてしまう状況になっています。
 多くの日本人は、北米(特にひどいのが西海岸)やオセアニアで起きている実態を、あまり理解していません。いま、日本はその後を追って北米社会で起きている現実と同じ道をたどっています。(先住者が地方に行く理由の1つに、固定資産税があります。この固定資産税が毎年上がり続けていて、払えず地価の安い地方に移り住んでいるのが現実です。賃貸の値段も高騰して、普通の収入では生活できなくなってしまいました。)
 いまの石破政権は、国家観と民族観と景況観がなく、日本を貶めることばかりしています。岸田政権から続いている媚中・親中体制は、さらに大きなツケが回ってきます。いま日本国内で起きている現実は、日本人が貧困化になり中国人が裕福になっていく土台を作っています。このまま石破政権の政策でいくと、10年後この国が残るかどうかわない状況になります。(残ったとしても、絶対数で日本人は貧困になり中国人が裕福になる経済システムが出来上がると見ています。いまの財務省が作ってきた日本より、さらに過酷な日本社会になるでしょう。)
 
「なぜ、いま中国人が大量に日本に来ているのか?」
 そもそも、彼らが持っている国家観や民族観は何かを知らないと、彼らがなぜ国を捨てて民族大移動をしているかが理解できません。中国人の動向を知るには、日本国内だけを見るのではなく北米や欧州やオセアニアで、何が起きているかを見ないと実態がよくわかりません。

 2~3年前から中国人の留学生や労働者が、日本を移住のターゲットにしたのか? 
 その答えは、いくつかあるのですが。最大の理由は、北米やオセアニアで移民規制と留学生規制をして国策として動いていたからです。いま、ヨーロッパでも移民規制を厳しくしています。カナダにおいては、2024年から外国人留学生を規制しました。この規制によって、ビザが取れずに帰った外国人は多くいます。
カナダ、24年の学生ビザ発行35%減に 住宅逼迫で制限 – 日本経済新聞 【ニューヨーク=時事】カナダ政府は22日、留学生向けの学生ビザについて、今年の新規発行数を昨年比35%減の約36万4000 www.nikkei.com  https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN230390T20C24A1000000/

 いままでは、北米やオセアニアで留学をして、移民をとる中国人は多くいました。しかし、この規制によって海外に出る機会が立たれてしまい困っていたところに、日本が外国人を緩和したことで、多くの外国人が殺到しているのが状況です。(北米に比べると留学費用が、圧倒的に安いのも原因です。さらに、日本政府から援助もしてくれる、最高の条件になっています。)

 コロナ前までは、外国人は日本には行きたがりませんでした。その理由は、賃金が安く労働が大変で移住先に考える人がいなかったからです。ところが、各国が外国人を締め出す国策になったとたんに、どこも行先がなくなった人たちは、進路を変えて日本移住をターゲットにしました。
 いま来ている中国人は、中流階級以下の人たちなので大量の外貨を持ってきている人たちではありません。(それでも、日本の中流層よりも資金は持っています。)
 2000年前後にはじまった中国人の民族移動は、中国の裸官と言われる富裕層で、北米やオセアニアに何十~何百億単位の資産を移動させて、家族や愛人たちに各国の市民権を取らせて国外脱出をした人たちです。いま、日本に来ている人たちは3ランク落ちた階層(または貧乏人)で、第一次国外脱出に乗り遅れた人たちが、いま日本に来ています。お金の使い方を見ても、北米の中国人に比べると貧乏たれで、海外に同化する意識が薄い人たちが多いです。

 この状況を野放しにしておくと、日本社会は取り返しのつかないことになります。中国人は、1つの市町村を巨大なチャイナ・タウンにして、どんどんとチャイナ経済圏を作り同胞だけにお金が回る仕組みを作っていきます。
 
 そうすると、他民族にはお金が流れない仕組みになり、その地域がどんどんと貧困になっていきます。実際、Vancouverの隣にあるRichmond市という街は、市全体が巨大なチャイナ・タウンになっています。さらに、北米の大学は中国人が大半で、アメリカ人やカナダ人がなかなか入れない状況になってしまいました。それだけ中国人は、子供の学習にも力を入れていて、大学卒業後のことも考えています。
 日本の価値観とは大きく違うのは、留学生を見ても解ります。日本人は、ディプロマ(卒業証書)を取ることが目的になっていますが、彼らの目的は現地で何の仕事をするのかが最終目的になっています。北米の留学生たち(中国人や他国の人)を見ていて、日本人の留学生たちとは、比べ物にならないぐらいのハングリーさと自分たちの目標を持っています。彼らにとって留学は、手段であって通過点でしかありません。留学は、海外のビザ取得のためで、最終終着点は移住と労働がすべてセットになった定住設計になっています。

 いま、日本の大学で東大や国立の有名大学で中国人が増えているのは、北米で起きていた25年前からの現象と、まったく同じことが起きています。
 日本人が考えている、博をつけるための外国留学とは全く違います。彼らは、一族で優秀な子供を異国で旗を上げをさせた後に、自分たちのファミリーを呼んでどんどん親族や同胞を増やしていきます。

 これから日本で起きる現実は、中国人の起業が増えて中華系のファミリービジネスが増えていくでしょう。そして、日本の会社を買いあさり中国人ネットワークを拡大していきます。そのターゲットは、高い技術を持っている中小・零細企業を買い、中国で生産して海外に市場を作って世界展開していきます。さらに、中国で生産したものを日本を中継点にして、中国製から日本製に書き換えて、北米に輸出していくでしょう。製造ロンダリング(マネーロンダリングにもじった造語)が行われるでしょう。これは、米中経済戦争に日本は巻き込まれていきます。(いま、カナダとメキシコで起きているアメリカの関税の問題は、中国製の製造ロンダリングとフェンタニル<中国製の薬>が、底辺に繋がっています。中国製をカナダやメキシコにいれて、そこからアメリカに輸出することで、中国製をアメリカに入れている現状があります。カナダやメキシコが、対中政策をするとトランプ大統領は、関税を下げることをしてくると見ています。)

 これから起こるもっとも恐ろしいことは、日本の高い技術を盗られることです。そして、その高い技術のほとんどは軍事産業に転用できることです。これが、彼らに乗っ取られてしまうと、いま以上に日本は政治も経済も中国に牛耳られた国になっていくでしょう。
 数年後には、日本の産業構造は壊れて、かつて家電やIT技術が海外に流出したように、日本の技術や英知はすべて盗まれて産業の空洞化がはじまっていきます。
 今後の日本経済は、国内で中国人オーナーの下で働き、低賃金と理不尽な労働体制の下で、モノ作りの時代が始まります。彼は他民族をモノとしかみていません。日本の勤労精神やモノ作り文化は破壊されて、日本の民族が持っている精神も生活も壊されていくでしょう。その結果、日本からモノ作り文化の灯が消えて、中国の奴隷制の時代が始まっていきます。
 この問題は、日本人が他民族によって弱体民族にされていく幕開けになっています。多くの日本人は、サイレント・インベーション(Silent Invasion:静かなる侵略・知らぬ間に奴隷になっていた)の概念を持っていません。民族生存競争は、北米や欧州に中国人の移住がはじまったことで激化しました。コロナ・ウィルスではないですが、欧州や欧米で起きた経路をたどり日本に上陸しました。
 これから日本人は、今までのような「人類みな兄弟」では生き残ることは出来ないでしょう。他民族との対峙を見極めないと、日本民族の文化や社会や生活は壊されていきます。日本は、世界を変える最後の切り札だと私個人は考えています。アメリカ一国だけでは、どうにもなりません。「日本人が持っている精神」と「モノ作り文化」が、これからの世界の中心になっていきます。日本人の知らないところで、精神の戦争が始まっています。日本は、この事実を受け入れ国家観と民族観を取り戻す必要があります。そうすると、次の未来が見えてきます。

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