~新しい門出の記憶~

No.40

いつもこの時期になると、東京都から地元に渋々帰省したことを思い出します。
跡取り娘として大切に育てられてきた姉は、じぶんの置かれている立場や環境が嫌で、家を出ていく決心をしたのです。

それは、東京都で楽しい生活を送っていたわたしにとって、かなりの衝撃を受けた出来事でした。

『跡継ぎで育てられたのに、今さら無責任じゃないか!』
『調子が良すぎるよ!』
『じぶんのことしか考えてない!』
『私が実家に帰らなくちゃいけないんじゃないの!』

その当時、田舎から出てきた姉が涙ながらに訴える姿を見ながら、言葉にならない思いが頭を駆け巡りました。なんの話をしたか聞いたか忘れてしまいましたが、一生懸命に実家に帰って来て欲しいと依頼する姉に、ほとほと困りはてて、話の最後に口からでた言葉は『大丈夫だよ!なんとかなるよ!』でした。(笑)

それから間もなく、わたしは体調不良になりました。それも急にです。わたしは、あっという間に、実家の湯治場に引き戻されたのです。わたしは東京都在住の結婚を約束していた彼と別れて、泣く泣く帰って来たのです。

あれから30年の月日が流れましたが、わたしはまだ生きています。
いつも、わたしの人生を捨てて、諦めてきました。だから良いのです。切り返し、メリハリ、またもとに戻れるフットワークの良さがあるから、また生きれるのです!

来週は肺移植の面談のために介護人の方々と宮城県まで足を運びます。それも物質世界での経験値のひとつに過ぎません。

楽しい、嬉しい、面白いの変換機能しかないわたしは、現実に起きることは『全てじぶんに必要なこと』だと受け止めます。
その現実を確認しながら、人間界で起きることを勉強しています。

人はなんのために生まれ、何を成し遂げるために生きているのか?

ほんとうの愛と勇気と正義とはどんなことなのか?

わたしは いつも神に問いかけます。
『わたしが間違った生き方をしていたら罰を与えてください!』

答えは いつも 嬉しい 愉しい 面白い 幸せなことばかりです。
そんな気持ちになる現実が押し寄せてきます。

わたしは 益々 張り切って 世のため人のため誠心誠意を尽くし 身を粉にして働きます!

今日ある命は当たり前ではありません。
今日ある出来事は当たり前に起きているのではありません。
誰かの犠牲の上に成り立つわたしの命だからこそ、感謝を忘れず、謙虚な態度で、素直に向かいたいと想います。

今日も生きていることに、生かされたことに、昔話を懐かしく思い出せたことに感謝なのです。

ありがとうございました。

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