
塚本幼稚園の土地払下げに関する一連の報道の一部で、「教育勅語を毎日暗誦する」ことに対しても、批判対象にされているようですが、どのような内容が書かれているものか、きちんと読んだことがありますか?
いまや内容すら知らない方が多くいらっしゃるのではないでしょうか?
去年、明治神宮でいただいてきた「教育勅語」と「五箇条のご誓文」を大学生に見てもらう機会がありました。
彼女は右翼でも左翼でもない、ごく普通の大学生です。
どう感じるかを問う私に、
「なんか、普通のことが書いてあるぅ~、これのどこが、どういけないんですか?」
と、逆に質問を受けました。
日本人の多くが、そう感じるのではないかな、と私は思います。
彼女が言ったように、健全な家庭で育った日本人にとっては、当たり前の、ごく普通のことが書いてあるからです。
大東亜戦争の後、欧米の一部で、日本があんなにも強くて規律正しかったのは、「教育勅語」のせいではないか? という話が出ていたそうで、それが結局敗戦後のGHQにより、「禁止」に到る素因のひとつにもなりました。
いまや教育政策の効果か、まるで戦争に導いた原因のひとつでもあるかのような扱いを受けています。
昭和四年生まれの父は幼少の頃、日々、諳んじていたようです。
年をとっても、歴代天皇とともにすらすらと暗誦してくれていました。かっこいいなぁ、と思いました。
私も見習いたいと思ったけれど、つい忙しさにかまけて三日坊主、日ごろすっかり忘れていたりもします。
この機会に一度ぜひ、きちんと読んで、ご自分の心で内容を吟味してみてください。
ほんとうに右翼で戦争に導かれそうな内容なのかどうかを。
この時代、国家の危機もさることながら、個々の私や皆さんこそが、問題の根っこなのです。
平和が自動的に続くと思い込みがちな大ボケぶりはさておき、芯のない生き方をしたときひとりひとりの人生の厚みは、どれだけお金を稼ごうが、名誉職につこうが、事実上ペラペラに薄いことにも気が行かないのは、集団催眠術にでもかかっているかのようです。
本来、自分の中にある闇を光にするという課題と正面から取り組まない限り、どこまでいってもぬかるみです。
自分の足で立って、自分の心を生きなければ、人生に価値など見出せるはずがありません。
自らの人生は、自らによってしか、解決もされないし、救われることもありません。
地に足つけて、目を覚まし、悔いのない人生を全うしてまいりましょう。
最後に、お気に入りの本をご紹介します。
『教育勅語の真実』
伊藤哲夫著 到知出版社 千四百円 + 税

<教育勅語 原文>
http://f-shrine.com/chokugo/index.html
敎育ニ關スル勅語
朕惟フニ我カ皇祖皇宗國ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ 我カ臣民克ク忠ニ克ク孝ニ億兆心ヲ一ニシテ世々厥ノ美ヲ濟セルハ此レ我カ國體ノ精華ニシテ敎育ノ淵源亦實ニ此ニ存ス 爾臣民父母ニ孝ニ兄弟ニ友ニ夫婦相和シ朋友相信シ恭儉己レヲ持シ博愛衆ニ及ホシ學ヲ修メ業ヲ習ヒ以テ智能ヲ啓發シ徳器ヲ成就シ進テ公益ヲ廣メ世務ヲ開キ常ニ國憲ヲ重ジ國法ニ遵ヒ一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ是ノ如キハ獨リ朕カ忠良ノ臣民タルノミナラス又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顯彰スルニ足ラン
斯ノ道ハ實ニ我カ皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所之ヲ古今ニ通シテ謬ラス之ヲ中外ニ施シテ悖ラス朕爾臣民ト倶ニ拳々服膺シテ咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ
明治二十三年十月三十日
御名御璽
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朕(ちん)惟(おも)フ(う)ニ 我(わ)カ(が)皇祖(こうそ)皇宗(こうそう) 國(くに)ヲ肇(はじ)ムルコト宏遠(こうえん)ニ 德(とく)ヲ樹(た)ツルコト深厚(しんこう)ナリ
我(わ)カ(が)臣民(しんみん) 克(よ)ク忠(ちゅう)ニ 克(よ)ク孝(こう)ニ 億兆(おくちょう)心(こころ)ヲ一(いつ)ニシテ 世(よ)世(よ)厥(そ)ノ美(び)ヲ濟(な)セルハ 此(こ)レ我(わ)カ(が)國體(こくたい)ノ精華(せいか)ニシテ 教育(きょういく)ノ淵源(えんげん)亦(また)實(じつ)ニ此(ここ)ニ存(そん)ス
爾(なんじ)臣民(しんみん) 父母(ふぼ)ニ孝(こう)ニ 兄弟(けいてい)ニ友(ゆう)ニ 夫婦(ふうふ)相(あい)和(わ)シ 朋友(ほうゆう)相(あい)信(しん)シ(じ) 恭儉(きょうけん)己(おの)レヲ持(じ)シ 博愛(はくあい)衆(しゅう)ニ及(およ)ホ(ぼ)シ 學(がく)ヲ修(おさ)メ 業(ぎょう)ヲ習(なら)ヒ(い) 以(もっ)テ智能(ちのう)ヲ啓發(けいはつ)シ 德噐(とくき)ヲ成就(じょうじゅ)シ 進(すすん)テ(で)公益(こうえき)ヲ廣(ひろ)メ 世務(せいむ)ヲ開(ひら)キ 常(つね)ニ國憲(こくけん)ヲ重(おもん)シ(じ) 國法(こくほう)ニ遵(したが)ヒ(い) 一旦(いったん)緩急(かんきゅう)アレハ(ば) 義勇(ぎゆう)公(こう)ニ奉(ほう)シ(じ) 以(もっ)テ天壤(てんじょう)無窮(むきゅう)ノ皇運(こううん)ヲ扶翼(ふよく)スヘ(べ)シ 是(かく)ノ如(ごと)キハ 獨(ひと)リ朕(ちん)カ(が)忠良(ちゅうりょう)ノ臣民(しんみん)タルノミナラス(ず) 又(また)以(もっ)テ爾(なんじ)祖先(そせん)ノ遺風(いふう)ヲ顯彰(けんしょう)スルニ足(た)ラン
斯(こ)ノ道(みち)ハ 實(じつ)ニ我(わ)カ(が)皇祖(こうそ)皇宗(こうそう)ノ遺訓(いくん)ニシテ 子孫(しそん)臣民(しんみん)ノ倶(とも)ニ遵守(じゅんしゅ)スヘ(べ)キ所(ところ) 之(これ)ヲ古今(ここん)ニ通(つう)シ(じ)テ謬(あやま)ラス(ず) 之(これ)ヲ中外(ちゅうがい)ニ施(ほどこ)シテ悖(もと)ラス(ず) 朕(ちん)爾(なんじ)臣民(しんみん)ト倶(とも)ニ 拳拳(けんけん)服膺(ふくよう)シテ 咸(みな)其(その)德(とく)ヲ一(いつ)ニセンコトヲ庶(こい)幾(ねが)フ(う)
明治二十三年十月三十日
御名(ぎょめい) 御璽(ぎょじ)

<教育勅語の口語文訳>
http://www.meijijingu.or.jp/about/3-4.html
<主たる内容 十二の徳目>
教育勅語には、道徳項目が主に12個示されています。
十二の徳目
一、親に孝養をつくしましょう(孝行)
二、兄弟・姉妹は仲良くしましょう(友愛)
三、夫婦はいつも仲むつまじくしましょう(夫婦の和)
四、友だちはお互いに信じあって付き合いましょう(朋友の信)
五、自分の言動をつつしみましょう(謙遜)
六、広く全ての人に愛の手をさしのべましょう(博愛)
七、勉学に励み職業を身につけましょう(修学習業)
八、知識を養い才能を伸ばしましょう(智能啓発)
九、人格の向上につとめましょう(徳器成就)
十、広く世の人々や社会のためになる仕事に励みましょう(公益世務)
十一、法律や規則を守り社会の秩序に従いましょう(遵法)
十二、正しい勇気をもって国のため真心を尽くしましょう(義勇)
ちなみに、明治神宮崇敬会で発行されている、教育勅語と五箇条のご誓文の小冊子は、無料でいただけます。
また、返信用切手を同封すれば、送ってくださるようです。
詳しくは明治神宮のHPへ ↓
http://www.meijijingu.or.jp/kyouikuchokugo/pc/index.html
平成二十九年三月十七日
阿部 幸子
協力 ツチダクミコ