Vol.800+22

松陰先生と元首相

この二千二十二年の八月の大分のカウンセリングで、山口県の会員の小宇宙に、多くの武士団と吉田松陰の存在があったので、今回はその報告です。私は、くり返し、現在の日本国の姿は、明治維新後の長州人脈によって形成されてきたという情報を、この世の側に伝えてきました。そして、明治維新というものは、はっきりいって、天に、または、精神界にとって、失敗の御一新だったと位置付けられているということも、お伝えしてきたはずです。この責任をあの世で、背負ったのが、幕府によって斬首された吉田松陰だったようで、そのたましいは、この七月八日に奈良で暗殺された安倍元首相と、共に、日本を取り戻すという仕事をしていたとの申告がありました。
松陰先生は、二十九歳で死に、安倍晋三元首相は、六十七歳で死にましたが、同じように、志半ばでのこの世からの退場だったといえます。
さらに、これから大きな問題となるのは、元首相の暗殺の背後にあり、これから表面化するであろう、日本を支配してきたシステムの姿です。
そこには、巨大な歴史の闇と、大きな利権が存在し、それらが徐々に情報として、あるいは政治と経済の変化として表にでることで、現在の東京政府が、かつての江戸幕府のような運命を辿ることになるのではないかと、予測することができます。
松陰先生の非業の死は、倒幕勢力に多大なエネルギーを供給しました。同じように、元首相の非業の死によって、日本を取り戻すムーブメントは、これから加速することになります。たぶん、その先にあるのは、明治から現代まで続く、欧米へのコンプレックスからの解放になるはずです。
そのためには、資本主義、社会主義、共産主義、さらには近現代の西洋文明を位置づけている民主主義というものも含めた、キリスト教文明圏に由来するイデオロギーというものを超克していくような、新しい思考系を日本がつくり出す必要があります。
このイデオロギーからの脱却というものなしに、日本に再び光が宿ることはないのです。
このために、これからの日本人は、資本主義や民主主義というもので語られる先進国の社会システムを、根本的に改めていく政治システムや、経済システムを再創造するだけの能力を発揮する必要があり、それをしない限り、日本国は日本人ではない支配者のためのものであり続けることになります。
何度もくり返しますが、大日本帝国が、日清戦争で台湾を領土とし、日露戦争の結果として、朝鮮を併合し、さらには、満州国建国へとつき進んだ歴史は、当時の世界で行なわれていた国家間の競争原理を忠実に受け入れた結果であり、それこそが、天から見捨てられる行動だったということです。
つまり、キリスト教文明の世界支配システムに日本が参入した結果が敗戦ということです。
その敗戦によってつくられた、日本を無力化する社会制度が、これから崩壊していくことになります。それは、日本が二十世紀末に体験したバブルの崩壊と、それに続く、成長なき三十年の後にくる、大崩壊といってもいいのかもしれません。
それは世界に連動していき、チャイナ、アメリカ、ヨーロッパ諸国というように、経済の崩壊の連鎖を生む可能性が高いのです。つまり、日本の精神界で、予告されていた、立て替え、立て直しの本番は、これからスタートするということです。ただし、多くの人間が予想していたような、経済の崩壊と大戦争が同時に起き、人間の文明の終わりというようなシナリオではなく、人間の意識上に、最後の審判の情報がのぼりつつ進行する、変化となるはずです。地球では、その用意が整いつつあり、人間という存在のたましいのもととなる意識体が、自分達の過去の滅びの記憶を思い出すことで、この宇宙の存在のテーマが人知に移りはじめます。
宇宙や地球の意識の覚醒につながる、新しい科学や新しい技術の創造が、松陰先生が目指した新しい日本国から生まれるというのが、用意された未来の姿なのです。
歴史を作り変えようとするものたちとの戦いに先に、あるのが、そんな日本です。

神紀二年(二千二十二年)八月十一日 積哲夫 記