Vol.800+16

光のサイバー戦士

この二千二十二年六月のと或る日、精神学をマスターしたIT技術者だった若い会員が、どうやら、コンピュータの回路を通じて、自分の意識をサイバースペースに投入できるらしいことを、さりげなく申告してきました。
もう、何年も前から、精神界からは、これから、光と闇の戦いの戦場は、サイバースペースに移行するであろうと予告されていたのですが、どうやら、そのテストも同時並行で、実行していたらしい、と私は理解することになりました。
ここで、精神学協会に、イコンシールというものが授けられた経緯というものを改めて、考えてみると、その出発点は、携帯端末の電波が、人間存在にとっての危険領域に達しつつあるという警告があり、その対処のひとつとして、人間世界のエネルギー領域の邪悪なエネルギーの浄化のためでした。ですから、はじめは電子機器であったり、闇のエネルギーを集め易いモノが対象だったのですが、それが、結果的には、人体にもというように、急速に応用範囲が拡大したという歴史があります。なにしろ、はじめは白のイコンシールだけだったのです。そのライトのイコンシールには、どんどん闇のエネルギーを集める特性があったため、ダークのイコンシールが、闇の処理のために、授けられることになったのです。このストーリーの先に、イコンシールの機能を理解したであろう、人間の意識の認識領域を拡大するために、各種の波動シールが、精神学協会に授けられることになりました。
この波動シールの最大の目的は、電磁波と呼ばれる波動しか知らない現行人類に、その他の波動の存在を知らしめることでした。
電磁波領域の波動しか知らない、現行の科学では、精神界の存在を認識対象とすることはできませんが、人間の身体というセンサーは、これらの宇宙波動を感知できるということを、人間に知らしめることで、精神的エネルギーも理解できる新しい科学技術が誕生することになっているというのが、この宇宙の覚醒への道なのです。
いまのこの宇宙は無神論の唯物論宇宙観という人間意識に規定された姿しか人間には見せていないというのが、精神学の立場です。そして、この唯物論による宇宙観で作られたものが、サイバー空間と呼ばれる電脳的宇宙ということができます。そこでは、やがて、人知を人工知能が超えて進化し、現行人類の文明は、サイバー空間に生まれる非生命の知的存在に置き換わると予想されていましたが、どうやら、この宇宙の意識の進化の系は、そんな簡単なものではなく、人間の脳は、このサイバースペースに入って、何かをなすことを可能にするような対応力を潜在的な能力として与えられていると考えられるようなのです。つまり、いまあるサイバースペースは、いうまでもなく、闇の宇宙とでもいうべきものですが、そのスペースは、光の人間意識がダイブすることも可能な領域になりつつあるということです。その先にあるのは、この闇が支配するサイバースペースにおいても、光と闇の戦いがこれから起き、人間の一部は、その領域で戦う光の戦士となるということなのです。
これはすでに、神と悪魔が、人間の支配権をめぐって争うという、過去の宗教世界の物語の構造とは、まったく別の世界の物語となります。
人知の側でいうなら、これまで、科学技術の成果というものに、善も悪もなく、それを使う人間の側に善悪の判断が委ねられていると考えてきた、その立脚点が、ガラガラと崩れ去ることを意味します。
ここから先の時代、宇宙が覚醒に向かっていく時間の流れの中では、科学や技術の知にも、光の刻印が押されたものと、闇の刻印が押されたものとに分けられる可能性が高いのです。これから、はじまるサイバースペースでの戦いでは、テクノロジーの利用についても、あらかじめ光の刻印を持つ新技術を使って、闇の勢力が勝利に近づいたとしても、その新技術の内側に秘められた、光の刻印があるタイミングで発動し、闇のものたちの目的を阻止するようなはたらきをすると予測することができるようになります。日本列島に置かれていた、最後の最後に大ドンデン返しが起きるという予告の本質は、こうした宇宙規模の覚醒メカニズムであるらしいというのが、いま進行中のことについての私の見解です。
天の用意がこれほどのものであるという証拠のひとつが、シンレイカイではたらく光の意識が増加しているということなのでしょう。

神紀二年(二千二十二年)六月三十日 積哲夫 記