vol.507

ミロク元年はミクニ元年

この2016年は、ヒツクノカミが伝えるところのミロク元年です。これはこれで正しいのですが、精神界からは、2016年はミクニ元年であるとの言葉も届いています。
ミロクが仏教用語であるのに対し、ミクニはキリスト教の御国つまり神の国に対応する言葉です。
坂本敏夫対談で、日本の位置をわかりやすく説明したつもりですが、日本人自身が、約1300年前にイエスの御国を現実化するために、聖徳太子の十七条憲法というものが置かれたという神話を受け入れない限り、これまでの日本の歴史が、私たちに与えられた最大の財産であり、いかなる武力をも超える力をこれから発揮するという仕組みの発動はないのです。ただし、この日本全体の意識の覚醒に対応するような反応が、先の参議院選挙や今回の東京都知事選挙では、あらわれはじめていると私は見ているので、この先に予定されていることを今回はお伝えしておくことにします。
これから、日本国内では、西洋文明に由来する左翼や右翼という、イデオロギー的な立場の主張の説得力が急速に失われていきます。
この価値観の喪失は、団塊の世代のこれまでの人生を支えてきた戦後の教育の幻想を根本から破壊するほどの影響力を与えるはずなので、死ぬまで快適な年金生活の夢は、達成されることなく不安な終末期を迎える人間が増加します。
日本全体の精神的な波動は、はっきりいってアメリカ化しており、この先にあるのは、世界共通の1~2パーセントの支配者と99~98パーセントの被支配者に分離する社会の姿ですが、いま、それを阻止する力としてはたらいているのが、日本人の覚醒なのです。それは、あの戦争の背後にいた人間グループの目指すものが、マルクス主義の名であろうと資本主義の名であろうと、同じように、ひとつのマネー、ひとつの価値観、ひとつの世界というものであり、それは日本人の心情には受け入れ難いものだということの再発見です。
日の本は古来、ワコクと呼ばれましたが、それは日本人的には和の国なのであり、だからこそ、王朝が替わるたびに皆殺しということをくり返す、大陸の帝国に明確なメッセージを伝達する書としての役割が日本書紀にあった、と私が精神界の代理で、人の世に伝達した時点で、大陸の文明に対するこれまでの歴史的態度は、決定的に変わらざるを得ません。
儒学や朱子学を、ほんとうに統治のための学の体系として、運用し成功させたのは、日本文明だけだったと、やがて、大陸の研究者も理解するはずです。同じように、西洋の近代から生まれた王権を打倒するための民主主義という概念を、真の意味で達成したのは2016年からはじまった日本の新時代であったと、後世の研究者が記す日がくるはずです。この方向に、日本全体の意識の流れが向きはじめているということを示したのが参議院と都知事の選挙でした。
過去の知識では、右側に大きく振れたように解説することになりますが、戦前から戦後の政治的な言論空間は、すべて西洋文明の範囲内でしかありませんでした。それがこれから変わるとするなら、本来あるべき理想の姿からの日本型の理論構築なしに物事の進展はありません。
その意味で、これからの日本の世界におけるポジションは、最先端になります。
その最先端の意味こそ、一神教の次の時代を拓くためのはたらきということになります。
人間の意識と知識はリンクしています。ひと握りの人間が世界の富を保有するような世界では、たとえば、フリーエネルギーのようなものは、この世に出ることはできません。いまのアメリカは、UFOすら製作しているといわれていますが、それは、その他の文明のリバースエンジニアリングだとされています。つまり、現行の文明の人間の頭の中から出てきた技術ではないのです。それらのことを総合すると、これからのアメリカから次世代の新技術が出る可能性は限りなく低いということが想定できます。アメリカの次を狙う中華人民共和国から、そうした新技術が世に出ることは、考えられません。もちろん、ヨーロッパからもこれからはないでしょう。とすると、消去法で日本国が残るのですが、そのはたらきは、新しい日本の意識が動き出さないと、知識としての天からの情報伝達なしにはできないというのが、私がくり返しお伝えしていることなのです。精神学をいつまでも宗教的なものと勘違いしている人間は、この大きな歴史の動きから取り残されることになりますが、それもまた、たましいのプログラムなのかもしれません。

2016年8月4日 積哲夫 記