No.61

IT世界の考察覚え書き

アメリカはこの先、世界のリーダーに返り咲くことはないだろう。
むしろ、国内に引き入れてしまった移民問題の対策にやっきになる未来の方が現状は想像しやすい。混乱期に入り、南北戦争のように内紛が連続する世界になりかねない。

そうなると気になるのはIT周りの動きだ。巨大企業に成長したGAFAMの本国は全てアメリカだった。それが、地盤が世界中で不安定になったとき、生き残りをかけるとするなら、どういう戦略を立てるのか。

ITサービスは実のところ、データセンター等インフラと、セキュリティ対策、そしてサービス体験をどこまで充実させて準備できたかという、規模の経済性がよく働きやすい世界というか。膨大なデータ量とアクセス量を日々捌くのだから、コンピューターの中央演算ユニットも高性能でパフォーマンスのよいものが求められ、ランニングコストを下げるために電力エネルギーの調達方法にも頭を悩ませる。優秀なエンジニアもとにかく人数を集めて常にサービスの改善を図らなければ、ユーザーからすぐにでも見捨てられるだろう。
そういえば、ITサービスは常に通電していることが求められる。そのためには電力エネルギーの安定確保、コンピューティング用のハードシステムが置かれた場所自体の物理的な堅牢性が必要になる。内乱状態になったら、アメリカで、果たしてどこまでその機能が維持できるのか。

五指の龍が祟りに祟り、川の流域がまるごと水に沈みかねないほどの豪雨に襲われている中国は、チャイナリスクがあるのだから、言わずもがな。地球の自転さえ遅くする重さの三峡ダムというから、あのせいで沈むんじゃないか。
EUは? GAFAMの専横をよしとせず、規制によって退けてきたヨーロッパ諸国だ。わざわざ彼らを利するようなところにこれまで煮え湯を飲まされてきたGAFAMが行くんだろうか。
主要国のフランスやドイツは移民政策の失敗によって経済的にも治安的にも不安が残る状態だ。(昨今の情勢を見ていると、ポリコレも入って文化的にも危機を迎えているように見えるが。)

こんな結果を招くとは、民族というものはなるほど、全く劇薬のようなものらしい。混ぜるな危険か?

災害の多い日本でも、データセンターが建てられる人気の立地はだいたい決まっている。すなわち地震が少なく災害に強い台地であり、もしかするとそれは古くからの神社が密集するような場所かもしれない。
ということを考えると、日本が一番海に遮られて余計なものが入ってくるペースが遅く、心配の少ない代替地となる可能性まであるか。海外のデータセンターが電気代が高いにもかかわらず日本にも建てられているのがそのあたりのリスクを勘案した結果かどうかは分からないが、あとは宇宙空間か南極か、オーストラリアぐらいしか私の頭だと思い当たらない。

そういうサービスの本拠点の国外脱出が上手くいかなければ、ITの巨頭といえど力を失うことになりかねない。
IT基盤としての情報検索エンジンのGoogle、小売やインフラ大手のAmazonなどが弱まって倒れた時、その代わりになる、彼らが草刈りしてしまった小規模事業やサービスの姿はもはやどこにもない。Yahoo JAPANが辛うじて残っているが、親会社のソフトバンクもこのままいけば危ういか?
アメリカや中国、ロシアの崩壊と共に、国際的な情報のやりとりが再び分断され細切れになっていく可能性もあるのかもしれない。

ちなみにSNSや検索エンジンが発達していなかった頃はどうしていたのか? を思い出すと、相互リンクやランキングサイト、専門の検索エンジンといったサービスが運営され、学術からブログまで民間で細々とリンク・アンカーによる地道なネットワークが構築されていたような覚えがある。

さすがに今はもっと良い方法があるかもしれないが、日本はGAFAMのサービス提供が不安定になったときの代替手段を考えたり備えておいた方がいいんじゃないだろうか。

アメリカのAmazon Web Serviceなどのインフラクラウドにシステムを乗せてしまった政府機関や地方自治体も多いと思うと、国内の事務は果たしてどこまでまともに回るのか。
アナログの人員不足を安易にデジタルで置き換えたツケをここで払うことになりかねない。

あ、Microsoftもいたな。Windows開発とかOfficeとか、どうなるんだろうね、ホント。
今のところ、ほとんどアメリカ主導で様々なオープンソース関連のものも開発されてきた歴史だったような気がするのだが。

情報世界までもが崩壊する未来が少し見えてきて、もしかすると日本の鎖国や再ガラパゴス化は、日本以外の国がそれどころじゃなくなって完成したりしないだろうな、と、不思議な予感を覚えている。