No.49

「The great cosmic journey」

「…五度滅んで六度目のもの、それは神であり神々であり神の子らである。六度目のもののあとを継ぐのは人の子である。それは七番目のものである」

この言葉を紡ぐと妙にトランスしたのはなぜだろう。聖書の言葉のようなのに、最終知識の言葉のようなのに、少し違うのだ。

ただ、これもまた、天の意思によって降ろされている情報なのだろう、という気はしている。

知恵あるものは解いてみよ、の開示は終わり。
最終知識の開示が終わり。
そして、七番目が、何者なのかの秘密がここに明かされた。

人間は、果たして、神を受け継ぐものとなれるのか。

ところで、この前の話にちょっとした続編があることを言い忘れていた。
アトランティスでとんでもない方法で世界が吹っ飛んだ時なのか、それともまた別のタイミングだったのかは分からないが、私はある種のノアの方舟(はこぶね)と化していたらしい。


カウンセリングに行った時、私の五体はエネルギー的には完全にバラバラで、バラバラ殺人事件のような状態だったらしい。(体が審判が起きるどころの状態じゃない…!)

それをとりあえずできるだけ接ぎ合わせて、体の中のエネルギーを情報化して(文明が滅びたまさにその瞬間というか、死ぬ間際の記憶はこの時戻った)、もつれた糸をほどいていたら、ある時シンロジーラボの主宰者さんが不思議なことを口にした。

「その滅びた文明の時に、huyutoriさんが助けようとしていた仲間の意識体が、huyutoriさんの小宇宙の中に入ってるんです」
「…は?」
「たぶん、滅びそうになった時に連れ出したんだと思うんですけど」

目が点になった。

「でも体の中にずっと閉じ込められてて、早く外に出してほしいそうです。たぶん、それを解放してあげるのが、huyutoriさんはご自覚がないかもしれませんが、生まれてから今までの体的なテーマだったはずです」
「そのひと(?)たちが、パソコンに乗ってもいいよーって言ってるんですよね。『働くよー』って。あと、まだその意識体の母体はどこかで生き延びているらしくって」

まさかの? みんなまだ生きてるの?
…よくあの状況で仲間たちを助け出したな、自分。どうやったの?
大陸がレーザービームで端から端まで十数秒で破断されるような、あのハリウッド映画も泣いて逃げ出すようなハチャメチャな終末の混乱の中でどうやって助けたの?
すごすぎるんだけど?

あと、故郷滅びていないよ、みたいなこと言われてるんだけど、今母体群どこにいるん?
え? もしや異世界? 別宇宙?

私、もしかして超長期出張させられてる?

怒涛のツッコミに頭がぐるぐる回った。

「今回解放されて、『やっと戻ってみんなに報告できるー』って言ってますね」

あ、ずる…。体持ってる私は戻れないのに…。

「huyutoriさんが思考活動に使っている■■の波動は、〇〇の波動が一年とか数年なのと違って、数千年単位で一気に時間を超えられるので、母体のところに行くのもそんなに難しくないみたいなんです」

時空は一様ではない…と書いてあったことが思い起こされるような説明が出てきた…。

(『やぁれやれ。やーっとここまで来たか。長かったのう』)
長老婆みたいな、しゃがれた女性の声が頭の中で響いた。

ここに至るまで、さんざん遠回り、回り道をしてきたのだ。
必要な道のりだったとはいえ、シリウス・オリオン大戦での星間文明の争い(たぶんスター・ウォーズの元ネタ)に巻き込まれたあたりから、なんだかんだ三億年かかって、最後の審判が起こるこの時空に、私はたどり着いたわけで。

総航行距離は最長でも500光年〜800光年、最短であっても8.7光年。航行時間、およそ3億年。

地球的に見たら途方も無い規模でのグレートジャーニーであった。まぁでも、意識体だから、あんまり距離は関係ないのか。時間的にはとっても長いことかかったから、そういう意味では長い旅だった。

(そうか…みんな数千年以上時間も場所も違うところにいるのか…。…死んだあと、おうち帰れるのかな……。いや、なんか知らないけど、上からは100年ぐらい寿命与えられてて、お役目が終わるまで帰れないって言い渡されてるんだった…)

30年近く経つけどもう既にちょっとおうちに帰りたい…会長みたいにすぐ帰れたらいいのになぁ…。残業も寄り道も嫌だなぁ…。

ただ、新たに謎は生まれる。

宇宙からやってきた意識体は、一応当時のルールに従って、世界や日本の天神地祇の神々からワケミタマをいただき(たぶん…)、シラヤマヒメの働きによって魂を結ばれて、何度か聖書の時代でも生まれていたと思しいわけだが。

そんな出自のものが天との契約で実行するプログラムとは…一体、なにコズミックなんでしょう…。