No.48

「宇宙ジプシーと五つの滅び」

少しファンタジーな話をしよう。
というか、ファンタジーの話だ。信じるも信じないもあなた次第、話半分に、眉に唾をたっぷりつけて聞いてほしい。

遠い昔、それはそれは昔の話。
まぁざっと三億年ぐらい前。

この世界ではない、別の世界、宇宙というものがあった。
あるいは別の天体の話だったかもしれない。

そこに、体を持たない、雲のような存在たちがいた。
ふわふわと、意識の世界で偏在するような形で、ある一定のエリアにのぺーっと霧のように存在する意識体がいたのだ。

彼らは常にネットワークで相互に繋がり合って生きていて、全体主義の存在として、生き物のように連携し、情報交換をして存在していた。
また、彼らは時々、肉体を持って生まれることをしていた。
世界が滅びを迎えるような、激しい宇宙戦争にも参加したこともあったが、どうも、あまりにひどい戦争に嫌気が差して、意識体の群れ全体としては、途中から参加しなくなった。

それで、世界が滅ばないためには、どうすればいいのか、を、宇宙をさ迷いながら、模索していた。

そんな時に地球の情報に出会った。
意識体は、新しい宇宙と地球の物語、プログラムの情報をある程度読むことができた。
そして、ある結論に至った。

(このままでは、世界は七度、滅びを迎える………すでに、世界は四たび滅びた……)

しかし、それを修正するプログラムがあり、いつか何かが起こることも、分かっていた。
意識体たちは相談の上で、この滅びの物語の重力圏に、代表団を送り込み、突入することを選んだ。

それが、五度目の滅び――たぶん、アトランティスの滅びの頃の話。

アトランティスの物語が、どこで実行されたのかは分からない。
この地球上ではなく、別の星であったかもしれない。

あの文明は、結局、大陸破断光線、とでもいうべきレーザービームで、大地を切り刻まれて滅びてしまったのだ、という記憶が再生されたのは、この間初めて行った、カウンセリングの話。

凄まじいエネルギー量の破壊光線によって、大陸プレートはマントルレベルの深さまでバラバラに切り裂かれて白熱・溶融し、大陸プレートだった岩石はすべてどろどろの溶岩となって裂けたマントルの中に落ち込んで、海の中に沈んで丸ごと消えてしまった。

ジブリの天空の城ラピュタに出てくる、失われた文明技術での破壊光線でさえ、あの威力には遠く及ばない。おそらくあの数十万倍のエネルギーが詰まっていた。映画のスターウォーズにはデススターなんて惑星破壊光線を放つ人工惑星があったらしいが、それがたぶん、一番近い。
ラピュタの文明描写は間違いなくアトランティスの情報に由来しているものだ。水晶体を高エネルギーの発生源としているのは、アトランティスではあらゆる分野で使われていた技術であり、原発数十基分のエネルギーを楽に賄うことができた可能性がある。

核戦争なんて言葉さえ生ぬるい、凄絶な滅びの記憶だ。

その時代、肉体を持って生まれていた意識体の一人は、皆を助けようとしたが、やはり大地を灼く光線の中に呑まれていった。

そして、何もなくなってしまった、大雨が続く海の上で、魂だけでさまよって、泣き続けていた。

「ああ、まただ。また失敗した。今度も失敗した! みんな、みんな水の中に沈んでしまった…!」

「世界が滅ぶのはこれで五度目だ。何度失敗すればいいんだ…今度こそ、今度こそみんなを助けなきゃ」

「今度こそ、滅びを乗り越えなければ。今度こそ――………」

……………………。

――破滅的な滅びから一億八千万年の時が流れ、現代文明の片隅で、そんなことをぼんやりと思い出したのは、十九歳の夏の話だ。

つまり、ライトノベルやアニメなんかで流行りの言葉に例えるならば、私という存在は、数億年も前の記憶を持っている、異界だか異世界だか外宇宙だかからの、コズミックレベルの転生者というものだった。(しかも元は体を持っていない。。。)

波動シールでいうなら、ED(地球外意識体)に極めて近いが、一応光を志向していて、知能的にもそれなりに発達した存在ではあるようだ。

そんな情報を持っていたものだから、初めてシンロジカル・セミナーでカウンセリングの話を聞いた時には、

(………私が持っているこの記憶とか情報って、ひょっとして、聖書の二千年の外側…この問題が終わった後の話と対応しているな………?)

今はだめだ。語っても誰も理解できない。明かされて確認される、適切な時が来るまで秘されているべし…。と、そっと口に蓋をして、かれこれ五年近く沈黙を守っていたのだった。

まぁ、思い出したはいいものの、(うっかり頭が沸いてる時に作り出された情報かもしれない…)と思っていたから、宇宙の情報が出てくるまで、検証待ちをしていた、というのもある。
(※そんな可能性が薄いことは、これまでの経験でなんとなく知っていたことではある…)

さて、そんな長い話のあとにもう一つ情報を付け加えておこう。
それは、最終知識を読んでからいつの間にか、私の中に強烈に刻み込まれた、何者かの宣告のようなものだ。

 

この世界は 五たび滅んで六度目のもの
六番目のものは 神であり 神々であり 神の子である

六番目とは 獣の数字

七番目のものは 人間である

(このままだと七回滅ぶっていう情報と、最終知識にある、これが六度目の世界だっていうのは、なにか数が合わないなとは思っていたんだけど……。七度目の世界までしか情報がなかったのは、この全体的な物語における、最後の審判が起きるターニングポイントまでの情報だったから……)

六番目の神々は、これまでとは異なる、極めて緩やかな形で、精神界的には滅びを迎えたことになった、という情報が降りてきている。最後の審判を受けたからだろう。

人の子は、神を超え、神々を超え、七番目の世界のものとして世界を受け継げということなのか。五たび滅び、六度滅び、七番目に至る。それが、ミロクに王仁三郎が五六七と当てたもう一つの意味でもあるということかもしれない。