No.46

「音楽の父事件」

頭が痛い。
偏頭痛がひどい。

なにか頭の中で起きていた。

浄化と上昇をするまでもなく、なぜかずっと、好きでもないゆずの「夏色」がエンドレスリピートしている…。
痛みを訴えるところで、ずっと音楽が再生され続けている、らしい。

―― ゆっくり〜ゆっくり〜下ってく〜

(……)

―― 残酷な天使のテーゼ♪ 窓辺からやがて飛び立つ♪

(エヴァのテーマになった……!?(-_-;))

どうやら、私の記憶の中にあるアニメ曲やら何やらが、ランダム再生されているらしい…。

(…今度は創聖のアクエリオンだ……ベートーヴェンの『春』…クラシックまでいくのかー…うわ、次は浜崎あゆみが来た…いったいいつまで続くんだ、この謎メドレー…!?)

何者だ。と思った瞬間、文字で「バッハ」と脳裏に浮かんだ。
あの、肖像画に出てくるような音楽家の格好をした男性が脳内でにこやかに笑っている。

「現代の音楽は実にいろいろな進化を遂げているね」
「な…っ」

(ま、満足そうに人の頭の中で音楽の記憶を無理やり引っ掻き回してるーーーー!? 何この音楽家!? てか、頭痛の原因はあんたかーーーーーーっ!)

「ところで、命の書というものがあるそうだね。登録してくれないか」
「は・・・はぁあああああああ!?」

初対面でいきなり藪から棒に命の書への登録を要求され、半泣きになった私だった。(紆余曲折あって、命の書の件は、なんとかなった。)

後からなんとなく思い返すと、バッハ音楽家三兄弟の末っ子の大バッハと呼ばれるヨセフ・セバスティアン・バッハではなくて、バッハ兄弟長男のヴィルヘルム・フリーデマンのような名前を名乗っていたような気がしたのだが、「バッハ」という概念として音楽家霊界にでも存在したのか、兄弟?家族?揃っていい感じになっている感じがする。。。

そもそもの原因は、事務所で会長と音楽霊界の話をしたから、だったのだが…。
あれは、彼らがかかってくる前兆だったのか…。

「ゲーム音楽から、アニメ音楽から、クラシック、J-POP、節操なくいろいろ聞いてましたよ…めっちゃ頭が痛くて参りました…」
「ほう、そうか。音楽の父やし、『全部自分から派生したものだ!』って喜んだやろうな、フフフ」

そんな会話があったりした。