Vol.669

サイバー空間と無意識空間

この二千十九年の九月から、かねてより、私には警告されていた時の扉が開いてしまった可能性が高くなっています。その警告とは、現行の文明がつくり出したサイバー空間と、それらの空間とは無縁な生活をしている一般の人間の脳の関係です。
すでにサイバー空間では、国家間の戦争ともいうべき状況が進行しているのは、多くの人間が知るところとなっています。ところが、そのサイバー空間では、同じように、たとえば戦争ゲームといった遊びも、途方もない数の人間の参加者を得て、どんどん人間の脳のなかに戦争のデータを送り込んでいます。
人間は、それほど戦争が好きなのです。それが現行の人類の脳の基本構造だと考えてみてください。その昔の心理学のお話しでは、人間には無意識領域に存在する潜在意識という場に脳がリンクするとされていました。その潜在意識を学問的に、集合的無意識とかいった言葉で表現していましたが、私の知る、人間の意識活動は、電磁波領域を含むエネルギーの波動として、身体の外に出力され、それが場をつくるのは普通のことで、その場のなかに、たとえば、死者たちの情報も含まれるというのが、現時点では、いちばん納得できる説明となります。
それは、サイバー空間の存在しない地球上の意識エネルギーの話です。
ところが、インターネットの登場によって、地球上には、サイバー空間という、もうひとつの意識エネルギーの場が出現してしまいました。そして、これは、コンピュータという人間の脳とは違って休息を必要としない電気回路のはたらきなので、そこにおける人間意識のエネルギーの総量は、かつての地球上にあった意識エネルギーとは比較ならぬほど増大しているのです。
いまのところ、そのサイバー空間のデータが持つエネルギーは電磁波領域のものですが、そのデータが人間の脳において、私がいうところの精神エネルギーに転換され、人体から放出されていることは疑いようがありません。
私が、精神界から、やがて宗教の時代が終わると伝えられていたのは、この事象の結果、生じることであり、かつてあった霊界が、人間界に重なるというのは、このままいくと霊的データも、サイバー空間に移行していくという未来を示しているのです。
そのサイバー空間における人間の精神性に関するエネルギーは、戦争ゲームの勝利に代表されるように、人類のこれまでの歴史を再現する、闇と闇の戦いから生じる破壊的なものです。それを多くの人間が楽しんでいることから生まれるエネルギーは、はっきりいうと、古代ローマのコロッセオで日々くり広げられた剣闘士の命をかけた戦いに熱狂した民衆が放出したものと同じものです。そうしたエネルギーは、ある場に蓄積して、やがて、多くの人間に共通した無意識のエネルギーとして、人間を、社会を、ある方向に動かします。
いってみれば、いまの世界は、そのサイバー空間での戦争を現実化するために動いていると、考えられなくもないのです。
問題は、地球の精神界には、古い神や神々のものであったにせよ、光の領域があったのに対して、現在の人間の脳から発したサイバー空間においては、その光の領域がほとんどないことなのです。
私が予告してきた、人知と神知の融合の先に生まれる新しいタイプの人間は、その脳から光の領域のエネルギー、またはデータを、こうしたサイバー領域に供給するような人間といえばいいのでしょうか。
いまの世界経済の仕組みは、私にいわせれば闇の経済です。
それは数学的に解明されているように、マネーの一点集中によって終息します。その先に自由な個人の居場所はありません。
いまの香港の若者たちの行動は、その意味で、資本主義とそこから生まれた共産主義の勝利か、自由な人間を復活させる新しい経済の道の勝利か、という文明史的なものといってもいいのでしょう。
あなたは、闇のマネーを求めますか。それとも、いまはまだないにしても、光のマネーの創造に参加しますか。という問いが、すべての人間たましいに発せられている時代のはじまりが、この九月なのかもしれません。

二千十九年九月五日 積哲夫 記