vol.528

グローバリストとリベラリストの背後

もうすぐ終わる二千十六年は、戦勝国アメリカの戦後が、実は、もともとのアメリカ白人たちが目指した、キリスト教の新世界に到る道ではなく、グローバリストとリベラリストと呼ばれる、無神論者に支配される国家への道だったことに気付いたターニングポイントだったといえます。
この年末というタイミングで、この国の内閣総理大臣が、パールハーバーを訪問することは、軍人と軍事施設だけを攻撃対象とした旧大日本帝国の行動原理を改めて、一般の日本人に告知することになるはずです。それによって、戦後封印されてきた、何かが開封され、アメリカが日本に勝利した後に、一度も戦争に勝利していない原因が見えてきます。
大日本帝国が敗北した原因は、これまでもお伝えしてきたように、明治維新がまったく別の歴史の扉を開いてしまったことに起因しています。その結果として、この国は、朝鮮半島と旧清国のエリアに深い関心を持つように運命づけられました。
大陸と半島と日本列島の人民が、ひとつの文化圏として、西欧列強の白人による植民地支配に対抗しようという発想が、江戸時代の国学のなかで育まれますが、それらは、みな人知でした。
精神学というものが、この人知と、本来あったはずの精神界のプログラムの差異を人間界に伝達しなければならないのは、過去の約百五十年というものが、日本のプログラムというよりも、キリスト教文化圏の影のパワーであるフリーメイソンリーとアングロサクソンの理解のためです。
明治維新のこの国に売り込まれた武器の多くは、アメリカの南北戦争のために過剰に生産されたものでした。
アメリカの南北戦争には、アメリカを現実的に支配し、コントロールしている人間グループが、マネーと武器を使って、この世の支配権を拡大するひとつのプロセスとして、利用していたという側面があります。そして、アメリカンドリームの国の象徴として存在していた、多数の大富豪が、その富をどのように隠し、その子孫たちが支配階級としての地位を確立してきたかも、多くの世界の人々は知りません。ところが、二千十六年の大統領選挙で、クリントン財団というものの正体が、世界の人々の目にあきらかにされた結果として、あのアメリカの理想主義のひとつのモデルとされた、公共の福祉に貢献するために大富豪がこぞってつくってきた財団というものが、実は合法的な節税を実現し、そのマネーの権力を温存するものであるらしいことが知られはじめています。
彼ら、現実の世界をコントロールする支配階級の多くは、アメリカ人であるかどうかは別にして、グローバリストであり、同時にリベラリストです。
世界のメディアのほとんどは、彼らの所有物であるために、その論調も、グローバリスト礼讃であり、 ナショナリストには、極右というレッテルを貼るという手法で、ある種の言論弾圧を続けてきました。
私は、ナチスのヒトラーが、死の直前にした、ある種の呪法の成果が、この現在のアメリカ文明の姿に出ているとお伝えしています。
戦勝国のアメリカは、ペーパークリップ作戦と称する人材移民をナチスドイツの科学者や技術者に実行しましたが、ナチスの亡霊は、彼らの価値観と共に、アメリカに移築されました。そこには、別な悪魔教の知識も含まれ、この二十一世紀のアメリカというものを規定しています。
そのアメリカに、資本主義と中央銀行制度の本質を学んだ、中国共産党のエリート達が、この世界はたとえ偽りのマネーであったとしても、マネーで買えるのではないかと、考えた結果が現在の世界といえばいいのでしょう。
共産中国を生み、育てたのは、アメリカです。残念ながら、アメリカという国は、大日本帝国に勝利することによって、日本の最大の失敗であった、朝鮮半島と中国大陸における何かの役割を相続してしまいました。これから、その勝利が、いかに苦い未来をもたらすかを知る時代がはじまります。
来年、一月二十日に誕生する新しい大統領のアメリカを見て、多くの日本人が、皇紀でいうなら二千六百七十六年もの歴史を持つ、民族であることに誇りが持てるようになる日が来ます。その日から、この国におけるグローバリストやリベラリストと呼ばれる人種の衰退がはじまるはずです。

二千十六年十二月二十九日 積哲夫 記