vol.518

ドルと元の終わり

この2016年の10月3日に、日本に新しい幕屋をたてる精神界の信号が出て、日本列島が世界の縮図であるとする地図で、北アメリカの北海道につながる南アメリカは、台湾であるという戦前の常識が確認されたので、ここに記述しておくことにします。たぶん、それらのことと人民元のSDR入りという通貨の新秩序はリンクしていて、日本のしくみでいうところの最後の一厘の最終段階に突入したのだと、私は判断しています。
人民元は、国家戦略によってアメリカのドルの価値とリンクされています。そして、人民元の国際化というノウハウを教えたのは、ゴールドマンサックスに代表されるウォールストリートの金融マフィアであり、そのアメリカ資本主義の秘密を学んだ人材は、中国共産党の幹部の子弟でした。
現在の世界のマネーをコントロールしている中央銀行制度というものが、国家の信用を背景につくり出されている幻想のマネーでのゲームを続けてこれたのは、アメリカのドルが石油の決済通貨であったからにほかなりません。さらに2008年のリーマンショックで、アメリカ政府をはじめとする世界の各国家が、民間銀行を救済するために無限大ともいえる資金供給をした結果、世界中の金融マーケットには途方もない数字上のマネーが溢れています。ところが、たとえばドイツ銀行の危機として伝えられているのは、リーマンショックのもととなったサブプライムローンの処理がアメリカの銀行では終わったとされているもののヨーロッパの銀行では、いまも済んでいないらしいということです。
ドイツの銀行がクラッシュすれば、イタリアやフランスの銀行も当然のこととして崩壊し、ユーロ経済圏に破局が訪れるという事態が想定されています。これがユーロという国際通貨が終わりを迎えるシナリオです。それに対して、ドルと元の間には、アメリカの貿易赤字と中国の貿易黒字という相互依存の関係があり、アメリカ経済だけが好調という現在の世界経済の状態では、破局は考えにくいと多くの人間が考えているはずです。
しかし、中華人民共和国は共産党の一党独裁という体制であるために、たとえば経済に関しても真実のデータを開示する必要がありません。人民元を国際通貨にした結果、中国共産党とその代理人による、アメリカやヨーロッパ、そして日本の企業買収や、オーストラリアをはじめとする世界各地での土地買収は、さらに加速する傾向を見せています。
国土と国家と人種はひとつのものとしているのは、この世界でも少数派で、その代表が日本国なのですが、中国といま呼ばれている国家の伝統のなかに、それはありません。昔から、世界中に華僑がいて、チャイナタウンがあるのは、彼らの歴史が国土と一致していないことを示しています。極論すると、いまの中華人民共和国の国土が荒廃して、人間が住めなくなっても、共産党の幹部とその子孫は、買収した企業や土地のオーナーとして、アメリカやヨーロッパや日本に移住できる用意を、IMFが完成させてあげたといってもいいのです。
日本人が信じている共産主義の理念と、この現実はあまりにも違うのですが、やがて、世界は、その場面に直面するはずです。
人民元がドルとリンクしている間に、中国共産党はビジネスとして、世界のすべてを買おうとするはずです。それは、戦争よりもはるかに簡単に世界を支配下に置く手段として、彼らの頭の中にあるといえます。
アメリカの大統領がマネーで買えることを、中国共産党の幹部が利用しない方が、政治的にはあり得ない選択なのです。
この日本のなかにも、そうしたマネーに代表される利益供与によって、彼らの戦略の手先とされている人間が確実に増大しています。この中国マネーの供給をしてきたのが、これまでの日本だったと、普通の日本人が気づく時がきています。中国経済のバブルの崩壊は、人民元だけでなくドルの基軸通貨としての地位も失わせるはずです。日本が持っているアメリカ国債がどうなるのか考えてみれば、この国の希望は、幕府による鎖国体制しかないことがわかるはずです。

2016年10月20日 積哲夫 記