#66  美しい日本の風景に、似合わない電気畑

世の中は矛盾に満ちている、とはいえ、あまりにも残念なことが増えている気がします。

たとえば、日本経済が成長を止めて二十年以上、この間に、中国がここまで台頭すると想像した一般人は少なかったと思います。
天安門事件[一九八九年六月四日(日曜日)に起きた中国の民主化運動で、第二次天安門事件。軍、警察とデモ隊との衝突で死傷者が多く出た]が起きた頃、日本人から見れば、中国はあきらかに支援を必要としている国でした。
天安門事件は、中国国内ではインターネット検索ができないようになっています。また、六四(六月四日天安門)とか五三五(五月三十五日)などの言葉で検索しようとした人物は、危険人物としてその後の追跡をされます。

  天安門事件の死者は「1万人」 英外交機密文書
  http://www.bbc.com/japanese/42482642  

  天安門事件25年~中国最大のタブー”大虐殺”の真相~【ザ・ファクト#10】
  https://www.youtube.com/watch?v=xzqVAU4Wm8E  

中国近代化のために日本から注がれた支援は、経済的支援だけでなく、技術支援も含め、多大なものがあったと思います。

日本には「鶴の恩返し」など、小さい頃から童話で学ぶ「報恩」の心がありますが、大陸や半島にはないのかもしれません。

台湾が、大陸と大きく異なるのは、その辺も大きいのかもしれません。
もちろん、すべての住民がそうだとは思いませんが、台湾は非常に日本的に見えます。

アパホテルが去年、客室に設置していたオーナーの著作本に抗議する中国人観光客からバッシングされて、引かなかったことがありましたが、そのことを機に、「安心して泊まれる」という声が多く聞かれ、アパホテルは台湾や日本の顧客を多く手に入れました。
清掃員が非常に喜んだと聞いています。

複数の中国籍の旅行客が悪天候で飛ばない飛行機に怒り、空港カウンターで航空会社職員に暴行を加えた事件もありました。
それでも、日本は今後も「観光客誘致」を推進するのでしょうか?
昔のように入国の敷居が高かった頃は、観光ビザで入国して不法残留する人は今ほどに多くなかったはずです。
敷居を低くしすぎているから、このように悪質な海外からの旅行客が増えているのではないか、とも思います。

たまには作業を離れて、一日すっかり遊びに行こう!と思いつき、日帰りで芝桜と大藤とネモフィラを見に行きました。
都会を離れて走るうちにバスの車窓からは、のどかな風景が広がっていきましたが、気になる光景もありました。

その違和感の元は、高速道路沿いに次々と広がる電気畑。
「太陽光発電」の畑です。
日本の食物自給率は高くないにもかかわらず、休耕地を増やし、さらに電力畑にするという方向は国民を幸せにするのでしょうか?

景観が悪いだけでなく、私は太陽光発電それ自体にも怪しさを感じています。
原発は処理までを含めた総コストでいくと、決して安くないエネルギーですが、太陽光も耐用年数を超えた後の無毒化を含めた処理費用を考えると、決して安くはありません。
今、東京電力などでも、一般家庭に対する料金体系の中に、「自然エネルギーを買取るための課金」が徴収されています。
それで儲けているのは、中国系資金を大量に投入した「大規模太陽光発電畑」や、中国・韓国などの太陽光パネル製造会社などなど。

武田邦彦先生(中部大学教授)のおっしゃるように、最近はあまり聞きませんが、五十年前も石油の埋蔵量はあと四十年分、と世界で名だたる研究機関が公表していましたが、四十年後もまた同じように、残り四十年分しかないと言っている、というようなことがありました。
今の人類にとっては永遠といえるほどの期間をまかなえるくらい、地球上に化石燃料はある、とは明言できませんが、少なくとも百年、二百年の年月で枯渇するような状況ではないことは確かだと思います。

武田先生による科学解説と三橋さんの経済から見た解説を、参考までに。

  【武田邦彦】『太陽光発電はバカバカしい!』裏で糸を引く影の集団の存在
  https://www.youtube.com/watch?v=ajg1SQLiBxE  

  【武田邦彦 ブログ 音声】火力発電を動かさないと太陽光発電はできない。
  このまま再生可能エネルギーをやると電気代は2~3倍になる。【武田教授】
  https://www.youtube.com/watch?v=MbBcNdB45Y0  

  【三橋貴明】太陽光発電の今後!メリットなし?デメリットのみ?制度限界!
   2017年5月 【DNT CH】
  https://www.youtube.com/watch?v=V640X9HoTWE  

電気自動車も、オール電化も、元は原発推進とともに電力需要の掘り起こしで、積極的に電力消費を進めていたわけですが、原発が不都合を起こしたあたりで、太陽光や風力を「自然エネルギー」として新たなビジネスを展開してきました。

「自然」を大事にする人が、こんなに不自然な光景を、不自然な収支で、推進するのだろうか?
ほんとうに自然を大事にするなら、まずは、火力水力発電の、効率を上げることや、新しい発明に対する実験などへの門戸開放も含めた形ですべきところだと思いますが、外から見る限りは、利権が作れたところしか許可されないように感じられます。

以前、水道に関しての発明を広めたいと思い、それにはどうしたらいいかを調べたことがありました。
水道水を酸素が多く含まれる水にすることによって、プールや飲み水の消毒が減らせたり、配管の中をキレイにすることができるということで、さまざまな用途が考えられるものでした。
しかし、水に関する利権は、三重構造くらいになっていて、よほどの利権構造を作らない限り、許可を取るのに一生では済まない時間がかかると言われたことがあります。

結局、良い悪いということよりも、儲かるかどうかが世の中を動かしている、というその形が、「マネー」への執着とともに、あまりにも歪んできた末のことではないでしょうか。


水といえば、水道事業は命に関わるインフラですが、昨年、浜松市で水道民営化の話題がありました。
昨年の新聞記事( 中日新聞 二〇一八年三月二十七日 朝刊 )から引用します。

—————————– 引用 ここから

 浜松市は四月一日から、下水道処理事業の管理や運営を民間企業に任せる「コンセッション方式」を導入する。対象になるのは市内最大の下水処理場の西遠浄化センター(南区松島町)と二つのポンプ場(南区小沢渡町、天竜区二俣町)。自治体が下水処理事業でこの方式を採用するのは全国で初めて。

 浜松市は、海外で水道事業を手掛けるフランスのヴェオリアグループの日本法人、ヴェオリア・ジャパン(東京)を代表とする国内六社でつくる特別目的会社「浜松ウォーターシンフォニー」に委託する。

 コンセッション方式は公共施設の所有権を自治体に残し、運営を民間企業に任せる仕組み。コスト縮減などが目的。全国では空港や有料道路などの事例があるが、浜松市では初の事例となる。市は上水道事業でも導入の検討を進めており、調査結果を基に可否を判断するとしている。

 特別目的会社との契約は二十年間。同社は市を通じて徴収される下水道料金の約四分の一を収益とし、市は運営権を与える対価として同社から契約期間内に計二十五億円を受け取る。市によると、コンセッション方式の導入で事業費を14%削減でき、年間約六千万円の事業所税収入を見込む。

 政府は官民連携を推進しており、二十六日には小倉将信総務政務官が西遠浄化センターを視察。小倉氏は「浜松での事業がうまくいけば、他地域でも見習おうという動きが広がってくる。成功例をつくることが重要。国も期待している」と述べた。

—————————– 引用、ここまで

今は下水道ですが、浜松市は上水道の民営化も進めようとしています。
欧州では民営化をやめる自治体が増えており、フランスのヴェオリア社も多国籍企業として日本参入に活路を見出しているようです。

水道事業や、交通・通信インフラなどは、種子法で日本のタネを守ることと同じように、命の安全に直結することですので、多国籍企業に権利を売却して収益を上げることよりも、長期にわたる命や健康を自分たちで守るということを優先したほうが良いのではないかと私は思います。

平成三十年五月四日

阿部 幸子

協力 ツチダクミコ