6の巻 <浄化と上昇から生まれる弊害・・・1>

浄化の方法を教えられてから2,3ヶ月経った頃だろうか、知人のオフィスで仕事の話をした帰り道、奇妙なことが起こった。
その日も、いつものごとく仕事の話が上手く進むようにという思いから、打ち合わせ中ずっと心の中で浄化のことばを唱えていた。打ち合わせや交渉などで、話し相手にワタシの考えや思いを楽に伝えることができたり、相手が思っていることが何となく分かるような気がするからだ。ワタシが期待する結果を得て、気分良く友人のDと携帯電話で話しながら歩いていた。

どれくらい時間が経ったのだろう、我に返ると自宅付近に立っていた。
知人のオフィスを出てから、友人のDと電話で話し始めたところまでの記憶はあるが、その後の記憶が全くないのだ。電車に乗って、まっすぐ帰ってきた程度の時間は経過していた。友人のDと電話で何を話していたかも覚えていない。というより、本当に電話をしたのかさえ、分からなくなっていた。まるで、夢の中の出来事のように。どこまでが現実で、どこからが夢なのか、意識上には境界がなかった。
携帯電話を確かめると、確かに通話記録は残っていた。
睡眠中のことではないが、感覚的には夢遊病者と同じ症状なのではないか?記憶がなくても、自宅に帰ることはできるし、切符を買って電車に乗ることもできる。周りの人はワタシが記憶のない夢遊病者とは思わないだろう。恐ろしいことだ。

ワタシ「昨日、知人のオフィスで打ち合わせをした帰り道で、突然記憶がなくなりました。気が付いたら自宅付近にいて、どうやって帰ってきたか全く思い出せなかったのです。もちろん、お酒を飲んで酔っ払っていたということはなく、しらふの状態でした。知人と打ち合わせ中、ずっと声に出さず浄化のことばを唱えていましたが、何か原因はあるのでしょうか?」
Sekiさん「・・・、何の所為だろう?そのオフィスってどこにある?」
ワタシ「周辺は、お寺ばかりなのですが・・・。それが、何か?」

Sekiさん「じゃあ、霊が集まってきたんだな。」
ワタシ「なぜ、私に霊が集まるのですか?」
Sekiさん「あれ、言わなかったっけ?浄化と上昇をすると光を発することが出来るようになります。霊も魔も光のあるところに自然に集まってくるのです。」
ワタシ「えっー!?そんなこと、聞いていません。それって、霊に取り付かれているのではないのですか?お寺やお墓の近くで浄化をしてはいけないということですか?」
Sekiさん「浄化というのは、闇のエネルギーを知識という光のエネルギーに変えるということです。闇のエネルギーは、自分自身が作り出すものもあれば、人や場所など外部から入ってくるものもあります。双方のエネルギーを処理することを、浄化すると言います。宗教の信者的な言い方をすると、掃除をするということになります。君も少しは浄化ができるようになった。成長したということだろう。浄化をしてはいけないということではなく、浄化ができるから救済を求めて集まってくるんだろう。光のあるところにエネルギーは集まるからな。」
ワタシ「ワタシも、光を発することができるようになったということですか?」
Sekiさん「まあ、光を発するというところまではいかないが、君レベルでも、闇の中では少しは明るいからね。」

まあ、暗がりの中では、明るい場所を目指して行動するものだけど、まさか霊まで集まってくるなんて思いもしなかった。それにしても、霊が集まるのと、記憶が無くなるっていうのは、どういう関係があるの???
ワタシ「霊の多い場所で、浄化をすると集まってくるというお話は、なんとなく分かったような気がします。分からないのは、霊が集まることと、夢遊病者のようになるということに何の関係があるかということなのです。」

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