海の底から

ある時 道を歩いていると

何かの音が 頭に響いてきた

きぃーーーーーーーーーーーーーん

きゃーーーーーーーーーーーーー

ひぃーーーーーーーーーーーーーん

悲しそうなおと

ぷりうすだった
ぷりうすが 走り去るときに 響いてきた
おとだった

以前 教えてくれた人がいた

ぷりうすには レアアースが
山のように使われているのだと
エコでも何でもない車なのだと

何も知らない人々は
エコに貢献しているという
自己満足でそれに乗るのだと

皮肉なものだと その人はつぶやいた

教えてくれた人は
その車を作った 会社の人だった

深い 深い 深い 海の底で

静かに 静かに

眠っていた

鉱物たちを

ある日

掘りおこし

傷つけ

それらのエネルギーを利用する

悲惨な車

かわいそうな車

あのおとは
鉱物たちの悲鳴

と想った

あのおとを 聞くたびに
悲しくなる
かわいそうになる

ぷりうす かわいそうな車
ぷりうす 作った会社
かわいそう じゃない
むしろ きらい

わたしの住む県には
その会社の本社が ある
きらい
きらい
きらい

鉱物たちが
また
海に 還れますように

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