家にじっとしていると、なんだかはがゆい。
「運動しろ」
旦那からも言われる。
近くに、スイミングクラブがあるが、20mと泳げない。
フィットネスクラブは、ガラでもないし、経費がかかる。
なんで、今まで、思い浮かばなかったのだろう。
家から徒歩5分以内に、城山という小山があるのだ。
しかも、60分のハイキングコース。
もちろん、私の体力は人並み以下で、時間はかかるが。
リュックを背負ってさえいれば、怪しまれずに、誰でも出入り自由だ。
この前の暴風雨で、山は荒れ、落ち葉や、枯れ枝が積もっている。
田舎の人は、自然が当り前だから大事に思っていない。
それに、しても全く人が通らない。
それに、かこつけて…。
何度か、行くうちに、リユックの中にのこぎりを忍ばせた。
お節介というか、どうしてもやりたくなって、邪魔な木を気合でどかした。
傍から見たら、おかしな人間だろうが。
倒木が突き出しているので、少し切れば、移動が可能なのだ。
今日は、ハサミを持って行って、通路の顔にかかるススキをカットした。
その切れ端からヒノキのようないい匂いがする。
行く度に、なにかプレゼントを受け取る。
今日は、天然しいたけのような得体の知れないキノコ。(ネットで調べたが、不明なので食さず)
干からびたきくらげ一欠けら。
よその遊歩道は、整備がされていて、積もった落ち葉を踏むこともない。
だが、ここの遊歩道は、枯れた枝を踏みしめ、葉っぱを踏みしめ、
人の足で、細かく砕けるのだ。
桃太郎さんの、お爺さんは山へ柴刈に、の「柴」がたくさんある。
拾って帰れば、昔なら、風呂の焚き付けに困らないのに。
私は、小学校の時、風呂の焚き付けが大好きだったのだ。
日曜日、この山道をマウンティン仕様の自転車で上る人たちがいた。
「倒木とか、大丈夫ですか?」
「全然、歩けますよ~」
と答えた。
頂上へ行ったって、トイレもない。
不気味な廃屋になった神社のようなものがあるだけだ。
ただ、遠くに海が見える。