讃歌


では
たのむねー」
とココちゃんを乗せて夫にその時間帯
外出してもらった

ぶじ予定の時間に福祉タクシー到着
庭から
バリアフリーで部屋に入った車椅子の母は
介護のエキスパート姉に促されて
毎回のように仏壇の前まですすんだ
そして
いつもの毎回のようにお線香をたてているうちに
片方の姉が到着し
母と三人の娘が仏前で般若心経をとなえる

太陽が出た日になった
それぞれ三人は「
よかったねー日差しがあってー
」と冬至 日帰りイベント 母の結婚記念日
を賛美し合った

前の晩
ごはんを食べにくる猫ちゃんのひとりが来ないので
布団に入ってからもどきどき動揺してしまった
ああわたしは神様の次に動物が好きなんだなー
とおもった
好きというよりその対象となった動物
の言う事を聞きたい
という心根

・・

主食はお店屋さんから運んでもらうので
味噌汁を作った

介護のエキスパート姉は器用にギリギリのスペースを使って
車椅子からトイレの便座へ母を移乗する
片方の姉が
「わたしもベットから椅子へ移せるんだよー」
と言った

ほんとーすごいーねー」とわたしは答えた
それを聞いたエキスパート姉は

無理してしなくていいんだよpandaちゃんは、」
と言った
わたしは答える言葉が見つからなかった

やがていつものようにふたりの姉は
ひととおりの流れがおちつくと

母の笑顔をみたくて
母を笑わせたくて
耳の遠い
発語のない
にかかわらず
母に元気な声で元気がつく話を語りかけていた

にっこりする母
反応をジェスチャーで示す

平和な空間に包まれた

何も話しかける題材が見つからない自分は
毎回のように場つくりに配慮しチョコチョコと動き回った

何にしろ昨晩「いない」とおもった子猫ちゃんが
実は「いた」
ので
このことが一日のスタート
うれしい気持ちで心満たされた

達者に話しかること
ができなくなってしまったけど
それでも母のために生きる自分は
三人寄れば波消しブロックとなってつとめる

皮膚科へ受診を、、とエキスパート姉から耳に聞かされていたこともその必要がないくらいに母の状態は回復していた

リフト付きタクシーがそら:へ帰る母を迎えにくる時間が迫った
いつもようにエキスパート姉が説明を加えながら
母の身支度を
要領よくヘルパーとしての腕を見せた
わたしが知らなかった気遣いを知った
姉に「
そうでしたかー知らなかったーお世話でしたー」
と伝えた

きのうの帰宅イベント
毎月いつも
さっさと自分から「帰るそぶり」を見せる母だったが
きのうは
「帰らないそぶり」を見せた

だよね
猫ちゃんもいるしこのうち楽しいよね
と波消しブロックはひとり満悦につぶやく

コメントを残す