しずかな夜は 耳をすまして

お休みの日はね
半分くらいの確率で
雨になる

すこしづつ
伝説の雨女さんに
近づいていけてるかなあ

きょねんの 夏
すごく すごく 暑かった
仲良しの木さんたち
とても
苦しそうだった

ねこちゃんたちも
お水をあげると
我先に
ぴちょぴちょと
飲んでいた

お み ず は い の ち な ん だ よ ー

みんなが教えてくれた

あああ
お願い お願い お願い
雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨雨
雨 ふってください

と何度も
その場でお祈りした

でもね
雨は すぐ ふりだすことはなく

持ち歩いていた
ペットボトルのお水を
ねこちゃんたちへ

たくさんお水 持っているときは
木さんの根っ子にも
ちょろちょろと
かけた

まだまだだなあ
どうやったら
雨 ふってくれるのかなあ

雨がふるとね
木のにおい
葉っぱのにおい
土のにおい
ねこのおしっこのにおい

ぜんぶが まざって
深い 深い
森のにおいがするよ

いい におい

雨 だいすき

古代の伝説の雨女さんはね
せおりつひめ

せおりつひめは
ふういんされてしまったんだって

妬まれちゃったから

でも つよい つよい
意志があれば
かならず
ふういんはとけるよね

妬まれたのも
仕組みですか

すべては
大きな 仕組み
なのですか

なぜ
こんなに
ややこしい世界が
できてしまったんですか

知りたいです
すべて
知りたいのです

ふういんに 利用されてしまっている
多くの 石さん

石さんの
ほんとうの意志が
曲げられているよ

石さんの
本来の意志が
よみがえりますように

お願い お願い
雨がふるとき
すべての
石さんたちに
伝えてください

お墓の石をつかって
死者のたましいを
囲いこんでいる
寺の仕組み
消えてなくなりますように

いし
意志が
目覚めますように

雨がふるたび
それを
伝えてほしいのです

この伝言は
死者たちのきもち
大地に眠る
死者たちのこえ

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