#23 メディアの役割が崩壊するとき。

東京都議会議員選挙が終わりました。

今回の選挙を通して思うのは、「報道機関」としてのメディアの崩壊ぶりと、メディアと現政権との戦いの激しさでした。
そして、小池ファーストの圧勝ぶりは「報道」を捨てたかに思えるメディアの圧勝、という風にも見えます。

メディアの醍醐味は、「いま現実に起きていることを、できるだけありのままに知らせる」というところにあると思いますが、その意味での価値は今はほとんどなくなりつつあります。
価値が薄れたので地上波を見る人の数は減り続け、新聞の販売部数は下がり続けています。

雑誌などに「記事広告」というものがいつの間にか増えていたのと同じように、意図的に編集された「報道と思わせる記事」が目立つようになりました。
アメリカでの状況がどうなのか、は米国メディアを見てみなければ明確にはわかりませんが、トランプ大統領の発言における「フェイクニュース」の指摘は、もっともなことだと納得してしまうくらいに、少なくとも日本国内ではプロパガンダ含みのメディア発信が多くなっています。

NHKの言うことは全部正しいと鵜呑みにしている人や、一紙だけを継続的に読んでいる人は、番組や紙面に出ていることを検証せず、疑うこともないまま、正しい報道として取り込むでしょう。

しんぶん赤旗はもとより日本共産党の政党機関紙ですし、聖教新聞は公明党応援ですが、朝日新聞と毎日新聞は「反自民」というより「反日」です。
各新聞が、あたかも政党機関紙のようになっているように見える、というのは、たびたび耳にすることですが、最近は顕著になってきたように感じます。
テレビにおいては、この春に起きた東京MXテレビの「ニュース女子」報道に関するBPO審議入りに顕著でした。

  東京MXテレビ「ニュース女子」、BPO人権委でも審理へ
  http://www.sankei.com/entertainments/news/170517/ent1705170008-n1.html  

結果は逆に、「ニュース女子」という番組の宣伝になり、沖縄の現状を多くの人が知ることにもなり、その訴えはどこから来て、誰が糸を引いているのかまでを知らせる機会になりました。

  検証番組公開「なぜ韓国や朝鮮の人が反対運動しているの?」の疑問は
  ヘイトスピーチか
http://www.iza.ne.jp/kiji/entertainments/news/170313/ent17031323570037-n1.html 

その経過の中で、番組MCをしていた東京新聞論説委員の長谷川氏に対する東京新聞の対応がひどく、これも話題になりました。
東京新聞の偏り加減も、なかなかすごいものがあると思います。

今回の都議選をふりかえると、自民党の大敗は、ますます左傾化しているメディアとの戦いにおける大敗ともいえそうです。

投票期日にあわせるように、豊田真由子議員の秘書への暴言録音が公表されたり、春先から「もりかけ」と言われる森友学園、加計学園問題、元文科相事務次官前川氏の文書問題など、現政権と自民党の人気を下げる工作が続いていました。

それらは、あたかも「いま、はじめて知ったので報道します!」というスタイルで公表されますが、昔から常套手段となっているように、タイミングを合わせて出してきているだけのこと。豊田真由子議員の暴言など、おそらく今に始まったことではないはずですし、時期をあわせて温存していただけでしょう。

選挙戦では、かならずこうした水面下のいろいろな仕掛けが浮上しますが、安倍首相をなんとかして引き摺り下ろしたい人たちの意向と、一部官僚の天下りを含めた保身、新自由主義者・グローバリストの思惑と、もはや部数激減で死活問題となっている大手メディアの経済活動が一致しての作戦勝ちだったかと思います。

今回は、都議選にもかかわらず、都政に関する話題は、争点としてほとんど表面に出てきませんでした。
市場移転の問題は告示にあわせて玉虫色の「方針決定」としましたし、指摘されていた二元代表制下での都知事が代表を務める党をつくることに関しては、投票日前日になって小池氏が代表辞任をしました。

マイナス面を、直前になって払拭しながらプラスイメージに塗り替えていく方法で、乗り切ったともいえます。
法律違反をしているわけではないので、どのような手法をとったとしても、勝敗は勝敗ですが、これからが大事です。
都民ファーストの会の代表後任を引き受けたのは幹事長であった野田数(のだ かずさ)氏、小池都知事の秘書となる前は、アントニオ猪木議員の元秘書で、大日本帝国憲法に戻せという持論をお持ちの方ということです。

圧勝の結果、都議会では改憲派の小池さんをたたえる人たちが多数派になり、共産党の力を借りなくても半数以上になったので、築地市場の豊洲移転はずっと実行しやすくなるはずです。

都民の多くが「また失敗した」と思うことがないよう、小池チルドレンには節操のある態度と都政の猛勉強をしていただき、四年間きっちり、日本の中の東京のための仕事をしていただけると良いと思います。

それにしても、小池氏の後ろ盾のようにして、小泉元首相や竹中平蔵氏の姿がチラチラしていました。
東京には、それだけマネーと保身に走る人たちが多い、という結果だったかと思うと、がっかりすると同時に何となくこの結果となった経緯がわかるような気がします。

都議選は終わりましたが、メディアと教育によるソフト洗脳は続いています。
メディアが報道から離れ、ますます左傾化し、国際共産主義の配下でもあるような、意図的な切り取りをしたり言動を繰り返すようになってきて、この先、地上波テレビや新聞からだけ情報を入手していると、いままで以上に現実の把握が難しくなります。

沖縄、東京、こんな風で、日本はどこに向かおうとしているのかな、と思いながらも、ひとりひとりが洗脳から早く脱却できますようにと祈らずにはいられないこの頃です。

思い返せば私が洗脳から脱却できてきたのも、私の友人たちの経験においても、やはり、GHQによる教育洗脳にはっきりと気づけたことや、間違った歴史を正しく知る過程、経済システムへの誤解を解いていくことによって、風穴があき、目が覚めてきたといえますので、その機会のひとつになれたらと今週も書き続けています。

どこから風穴があいたとしても、政治・経済・教育と、みな連動していますので、次々にわかっていくはずです。
なんとなく、とか、信頼する誰かが言っているから、とかではなく、自分自身で納得のいくまで知る努力を続け、よくよく考えて行動していくことが、良く生きることに直結していくものと思います。

知らないうちに植え付けられた自虐史観(東京裁判史観)から、一日でも早く抜け出しましょう。

  教育によって日本の「無力化」を図った、GHQの日本人再教育とは?
  http://kanouseiji.com/ghq/   

  GHQの占領政策と影響
  https://www35.atwiki.jp/kolia/pages/241.html  

 

平成二十九年七月七日
阿部 幸子
協力 ツチダクミコ