Vol.595

平和な内戦

いまの日本列島は、マネーを手にした中国共産党に手を入れられ続け、古くからの共産主義シンパのほかに、政治も経済も、メディアも、教育もというように、事実上の精神的な侵略が進行しています。その前の時代、民主党政権の時代には、いま逮捕されている隣国の前大統領は、在日だった自身のネットワークによって、この日本国内に、半島の勢力を拡大する工作を続け、それに呼応する組織が、投票権を持たない外国人の参政権のために動きました。それらの先兵となったのが、実は日本のマスメディアだったというのが、私の知る、このクニの不幸な現実でした。
第一次安倍政権のときに、反安倍の方針は朝日新聞の社是であるといい放ったとされる当時の経営陣を引き継ぐように、今回の第二次安倍政権への新聞テレビの国民に対する印象操作は、ここに来て、ほとんどの国民に見破られつつあります。
戦前の日本人は、朝日新聞に代表される当時のメディアの好戦的な世論誘導によって、対米開戦やむなくの気分に引きずられ、大都市は焦土となり、半島や大陸からの引き揚げ者は、途方もない辛酸をなめさせられました。そのメディアにかかわった人間たちは、戦後も、GHQの代弁者となることで、生き延びてきたのです。
その総決算の時が、近づいています。
さまざまな世論調査を見てわかるのは、たとえば、安倍政権を支持するコアな層、つまり、保守層が約三十パーセントの人口比で存在し、それに反対するコアな層、つまり、左派層が約二十パーセントで、残りの約五十パーセントの中間層が、どちらに転ぶかで、いまの日本の方向性は決まるということです。ところが、これは古い図式で、自民党と社会党が、左右の勢力を代表していた、五十五年体制に対応するものでしかありません。つまり、いまのメディアの世論調査の手法では、六十年以上前の日本の政治的色分けしかデータ化できないのです。
私の見解によれば、いまの安倍政権を支持するコアな保守層は、正統日本派ともいうべきグループで、これが、親米保守といわれるいまの自民党政権の中核的な支持層の右側に存在しています。中間層の約五十パーセントのうち、得票率で見てわかるように、そのほとんどは、国政の投票行動では、自民党支持率に変わります。ところが、日本のメディアで生きている人間グループのほとんどは、左側の約二十パーセントの人間グループに属しています。世界標準になっているいまの資本主義では、企業は株主のものとされていますが、現行の日本のマスメディアの企業および、日本放送協会のような法によって定められた団体の主人は、そうした人間グループになっています。
アメリカのグローバリストのグループの日本改造計画がよくわかる対日要求のなかに、日本放送協会の民営化や、電波オークションによる多チャンネル化が入っていないのには、それなりの理由があるのです。
日本の経済を支えている人材の多くも、それらのことに疑いの念を抱かないようにコントロールされてきましたが、私にいわせれば、メディアの開放なしに、次の時代のためのブレークスルーを生むビジネスのアイデアや技術も、生まれようがないのです。
原則禁止の国、日本からは、グーグルもアマゾンも生まれようがありません。創業者を失った日本を代表する企業群が、どんどん、かつての輝きを失っている背景には、こうした戦後日本システムの寿命がきていることがあるのです。そして、現実には、この国の内部で、外国の政治的思惑によって動く人間グループによる、破壊活動も進行中なのです。北朝鮮の核は、その問題の一部に過ぎません。世界は、ナイーブな日本人には読み切れない悪意に満ちていることを知らないと、いま進行中の内戦状態ともいえる国論の分裂が亡国への道をひらくことにならないとも限らないのですが、その知力を日本のメディアが持つ日がくるのでしょうか。

二千十八年四月五日 積哲夫 記