Vol.573

意識の扉

この二千十七年の十一月、日本列島を覆っている戦後つくられたマスメディアによる、ある種の幻想、または、操作された意識のエネルギーの層が、地の側の覚醒によって、徐々に変化するきざしがあらわれはじめました。
どうやら、このことと、アメリカにおけるケネディ暗殺の情報開示は、リンクしているようなのですが、地球的にも、新しい時代への意識の扉が開かれつつある印象があります。ただ、これらのことは、マスメディアに代表される古い意識の層にある情報系では、感知されることもないので、百年単位での歴史観でモノを考える人間でなければ、次の意識のステージにエントリーすることもできないでしょう。
私が、これまでくり返しお伝えしてきたのは、約二千年前に起きたイエスの十字架という事象に規定されてきた、人間の意識の層が、劇的に変化するタイミングが、その日、その時、と予言されていた時であり、それは現行人類のなかで、すでに進行中であるということです。
これによって、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教という一神教の三大宗教の対立によって規定されている現行文明の時代も終わるはずです。
現象面では、これに共産主義者の支配する、アジア大陸の国家群も加わり、世界は不透明化しているように見えますが、共産主義というものは、そのルーツがユダヤ人のマルクスということもあり、その思想背景は、一神教文化圏における、無神論者というもので、文明的には同根なのです。
明治維新後のこの国は、南北戦争というそれまでの歴史では最も苛烈な戦争に勝利したリンカーン大統領の暗殺の背景に、国際的なマネーの問題があるのかも知れないという知識もないまま、中央銀行制度をいわれるままにスタートさせました。ケネディ大統領もまた、政府紙幣というものを発行しようとしていて、それは暗殺後、中止されました。世界で通用しているドル紙幣というものは、民間の、それも非課税のユダヤ系の銀行が、アメリカ合衆国政府の国債を根拠に発行しているものです。
それが生まれた歴史を調べれば、ヨーロッパの各王室に戦争や植民地拡大のために貸し込んだユダヤ系の資本の存在を知ることになるはずです。
キリスト教でもイスラム教でも、金利を取ることは、神の意に反する行為として信者たちの仕事とはなりませんでしたが、その役割を担ったのが祖国を持たないユダヤ人という存在でした。この歴史を、すくなくとも戦前の日本人は知っていて、植民地主義ともいえる帝国主義を支えたマネーと、ロマノフ王朝を滅亡させたレーニンの革命の背後にあったマネーが、同じ所有者グループのものだということも理解していたはずなのです。ところが、敗戦後の洗脳工作のなかで、世界史の背後にあるマネーの存在は、一般の日本人の意識上から消えてしまいました。
ところが、いまの北朝鮮の危機によって、核開発をするにも莫大なマネーが必要となるという簡単な現実に直面することで、マネーの供給者が誰なのかという、世界史の正体を見る日本人が増加しています。
この姿が見えてくると、日清、日露、そして、第一次世界大戦という連続した戦争によって得た大日本帝国の大きな勢力圏によって、自分たちの利益のもとたるマネーの独占が脅かされると感じた勢力が、日本を自分たちの支配下に置くための長期的な戦略を立案し実行したことも納得できるようになるのです。そこでは、コミンテルンに代表される国際共産主義のグループと、アメリカの大陸における利益を追求する国際金融資本家のグループの利害は、完全に一致します。
こうした大きな時代の流れのなかにあって、国際間においての行動原理さえ、性善説を取る日本人のナイーブさは、いいカモにしか見えなかったはずです。このいいカモという特性を、さらに増大させたのが、戦後七十二年にも渡る安全保障上の思考停止状態でした。
この思考停止状態が続けば、優れた日本語脳といえども、創造性を失うことは、これまでの歴史で、すでにあきらかでしょう。
この閉ざされた意識空間の扉が、どうやら、この十一月には開かれようとしているのです。その先に、半島有事があるのか、大陸のバブル崩壊があるのか、それとも、アメリカの…、といった危機の想定が無数にできる今こそ、日本人は世界の真実から何かを学ぶことで次のステージに移行できるはずなのです。

二千十七年十一月二日 積哲夫 記