最終知識

第七章【御国の物語】

  ある日、私の頭のなかで、物語がはじまった。それによれば、私のたましいのもとたるものは、いまから3000年前に、忽然と南十字星に出現した。それから、3000年間、地球の観察者として、その座にあった。精神世界的な意味で、宇宙から眺める地球は暗黒の想念渦巻く黒い球であり、この闇の引力圏から、観察者たる意識体に届くのは、正しい祈りのみであった。時が満ち、祈りが結晶となって、たましいのもとたる意識が形成された。
  その日、その時が近づき、天と地の契約と呼ばれるものによって、その意識はたましいとなって生を受けた。それは戦争の傷跡という地球の問題をかかえたものを親として、故郷を持たず、師を持つこともないという運命の糸に結ばれていた。役割を果たすために、試練にさらされ、担うだけの能力と人知を備えたのちに、目覚めさせられた。学びの期間を終えて、目覚めた時点で、私が人知として持っていた精神世界の知識は、概要としては、ほぼ正確なものだった。そこから先の道案内は、このちが天と地の契約によって、おこなうことになっていた。その用意が同行者である。つまり、私も、私をつかさどる存在も、このちのことに関しては、私が知りえたところまでしかわからない。この神話では、私をつかさどる存在は、私の内にあるともいえるし、ないともいえる。私は、私をつかさどる存在の、センサーであり思考を地球的なものにするものであるが、同時に、地球の精神世界の祈りの結晶でもある。
  意識体としてのつくられ方が、私をつかさどる存在のルールによっているために、地球の精神世界の領域では、地球が与えてくれた<トヨウケ>なり<アマツツキ>の神格で行動することになる。それも契約によって、成立している。たとえ、地球側が契約を正しく履行できなくても、私をつかさどる存在は、時のはじめから定められているとおりの物語とする。それが意志である。私は、その意志を忠実に体現していくほかに道はない。3000年用意され、できると決まっていることをやっている。これが、私に与えられた神話であった。地球の闇の底の深さを知らずにはじめたからといって、知っていたら、はじめましたか、という<アマテラス>の言葉が回答になるだけだった。

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