この物質的宇宙は、ビッグバンという点によって開闢した。科学という人知が、そこに到達したことで、人間と精神世界の関係もあらたにならなければならない。
目覚めた状態で人間は、たましいというやっかいなものと向き合わなければならない。それが、この物質宇宙と似た構造を持っているからである。精神世界の領域で、宇宙が点からはじまったという知識は、まことに古くから存在してきた。カバラでは、その原初の点を「アイン・ソフ」と呼び、無であるとする。この無から、いくつかの段階があり、光が生まれ、次々に層が生じて、現在の宇宙があるとする。そして、ひとりの人間のうちに、この宇宙の卵は、小宇宙として存在しているとする。知識としては、あったのだ。
この小宇宙、宇宙の卵というものが、人間のたましいと呼ばれるものの正体である。しかし、これまでの地球上の知識で、この原初の点は、神聖不可侵なものとされてきた。造物主が、精神世界の内側に想定された結果である。私は、神業の開始にあたって、その原初の点に支配の正統性を置いた地球の神、または神々、その変異である魔王、その他の魔界のもの、すべての意識体の罪を問う存在があることを知らされた。地球の神では、いかんともしがたい状況があり、地球の神界もそれを知っていた。それゆえに、私は、このちに残された人知としての知識や、神や神々の伝えてくる情報をもとに、この宇宙の主宰神たる存在を必死でさがしたのだった。
なぜ、私がそんな行動をとったのかという理由は、私をつかさどる存在が地球の神の物語とは、まったく別の神話を私に示したからだ。神という概念が、この宇宙の意識の目覚めのプロセスにすぎないことを知り、神という概念から、人間が真に解放されるために、私は、私をつかさどる存在が、私の神話として伝えてくれた物語からはじめることにする。はじめの頃、私はもちろん、私をつかさどる存在も、このちの精神世界に存在する意識体のかたくなさが、あるいは本質的な邪悪さが、まったく理解できなかった。私の考える神界に存在すべきではない邪悪な想念が、私を取り巻いた。私にとってそれは最悪の時期だった。